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ウイーンの市電

リンク通りには、市電が通っています。環状時計回りが1系統、反時計回りが2系統で、この他各方面から多くの系統の市電が乗り入れてきます。リンク通りは、道路の両端に市電の線路が敷かれており、乗客は道路の中央に出ることなく、歩道から乗り降りでき、便利で安全です。地下鉄とは別に、市電の路線が地下に入る部分もあり、変化に富んでいます。

赤と白に塗り分けた市電は2車体連接車が1両のトレーラをひく編成です。終点がループ線になっていて方向転換するため、バスのように運転台もドアも片側だけです。車内は、運転台の後部にロングシートがある他は、前向きのクロスシートが並んでいます。さすがはドイツ語圏、日本並みに次の停留所の案内放送まであります。

リンク通りのウイーン市電 1番と2番は環状運転 ウイーン市電の新しいタイプ

市電はドイツ製でしょうか、正面の窓が内側に傾斜した西ヨーロッパでよく見かけるスタイルです。古いタイプと新しいタイプがあるようです。超低床車も導入されているそうですが、この時は見かけませんでした。

古い市電も動態保存されており、観光客を対象にした2軸の単車によるレトロ電車も運転されています。市内には、トラム博物館もあるのですが、時間の余裕がなく立ち寄ることはできませんでした。

連接車の車内 動態保存の2軸車による観光電車

このほか、市電の路線にはトラムタイプの郊外電車も乗り入れてきます。ウイーンの西南に位置する温泉保養地、バーデンから来るバーデン鉄道のクリームと青の電車は、市電と異なり前後に運転台があります。終点のオペラ座前の路上に本線から分岐する行き止まり式の専用ホームをもっていて、ここで折り返していきます。

 


ヴェルヴェデーレ宮殿とシェーンブルン宮殿

リンク通りから別れてウイーン南駅方面に向かうD系統の市電に乗ると、すぐにヴェルヴェデーレ宮殿の横を通ります。上宮と下宮の2つの宮殿の間に美しい庭園が広がります。

バーデン行きの電車とオペラ座前の専用ホーム ヴェルヴェデーレ宮殿

シェーンブルン宮殿は、ハプスブルク家の夏の離宮です。ウイーンを代表する世界文化遺産にもなっています。ベルサイユ宮殿に対抗して建てられたといわれる壮大な建造物で、外観のクリーム色は“マリア・テレジア・イエロー”といわれています。1441室の内40室ほどが公開されており、マリーアントワネットの部屋やモーツアルトがマリーアントワネットの前で演奏したといわれる鏡の間などが見学できます。広大な庭園はよく手入れされ、色とりどりの花が咲き乱れています。

シェーンブルン宮殿の前には市電は通っていません。掘り割りの中を走るUバーン(地下鉄)6号線のシシェーンブルク駅で降りるとすぐです。

シェーンブルン宮殿の正面 シェーンブルン宮殿の中庭