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コペンハーゲン市庁舎とチボリ公園

高さ106mの赤いレンガの建物が市庁舎で、市庁舎前広場からアメリエンボー宮殿近くの、王様の新しい広場という意味のコンゲンス・ニュートーウまでの歩行者天国が、コペンハーゲンの銀座、ストロイエです。

ストロイエの中心に噴水のある小さな広場、アマートーゥは、高級ブティックやロイヤルコペンハーゲンの店からマクドナルドまで、何でも揃うコペンハーゲンの中心です。

     
市の中心にある市庁舎       ストロイエの中心 噴水のあるアマトゥー広場

市庁舎の隣には、コペンハーゲンっ子の心のふるさとの遊園地、チボリ公園があります。東京で言えば浅草花屋敷でしょうか。冬の厳しいコペンハーゲンでは、チボリ公園が開くのは4月中旬から9月中旬までの5ヶ月だけだそうです。

チボリ公園の入り口 夜の屋外劇場で演劇を楽しむ

チボリには、ジェットコースターのような絶叫マシンもありますが、ディズニーランドのように長い列に並ばなくても乗れ、場所取りをしなくてもパレードや屋外劇場の演劇をゆったりと楽しむことのできる、のんびりとしたテーマパークです。

 


コペンハーゲン中央駅

チボリ公園の隣はコペンハーゲン中央駅。ヨーロッパの多くの都市の中央駅のように大きなドームを持つ駅ですが、 ここは行き止まり式の駅ではありません。優等列車の始発駅ですが、国電に相当するS-tog(エストー)は中央駅を通り抜けていきます。

SASホテルの右下
とんがり屋根がコペンハーゲン中央駅
海を渡ってきたDBドイツ鉄道の客車

ホームでは、海を渡ってきたドイツの客車や、前頭部に貫通幌を兼ねた黒いゴムを貼った、ユニークなデザインのデンマーク国鉄の気動車IC3のインターシティーが発車を待っています。

この気動車は3車体連接車を2〜3組連結しており、連絡船で海を渡るときには3車体ずつに分けて積み込むそうで 、分割併合が容易なようにこんなデザインにしたとか。白い車体に連接部分に赤を配し、カラフルな車内とともになかなかおしゃれです。

デンマーク国鉄の誇るIC3は先頭部が黒いゴムでできた3車体連接のユニークなスタイルの気動車特急

1999年にはデンマークとスウェーデンの間のオーレスン海峡を、鉄道と道路併用の橋と海底トンネルで結ぶ工事が完成し、2000年の夏に列車が走り始めました。今ではスウェーデンから振り子式のX2000がコペンハーゲンに、デンマークからはIC3そっくりの電車がマルメに相互乗り入れをしているそうです。

コペンハーゲン中央駅付近の線路は複々線になっていて、長距離列車と同じ線路を電気機関車によるプッシュプルの中距離列車が走ります。客車は両開きの2枚扉で、最後尾の客車にはJRの183系や485系によく似た高い位置に運転台がついています。

電気機関車を先頭にプッシュプルの中距離列車 中距離列車の最後尾 運転台つき制御客車

コペンハーゲンでは、S-tog(エストー)と呼ばれる国電が市内から郊外にかけての交通の主役として活躍し、大半の系統が中央駅を通ります。

S-togは国電ながら喫煙室があることや、自転車持ち込み可のマークがユニークです。1時間以内は乗り換え自由な切符は、黄色い市バスと共通で使えます。

     
S-togの旧型2枚窓は釣かけモータ       新型の1枚窓はカルダンドライブ

北欧の中では最大の都市にもかかわらず、市内交通を国電と黄色い市バスに頼っていたコペンハーゲンにも、2002年になってやっと地下鉄が開通したそうです。 最新のシステムですから、地下鉄では数少ない無人運転だとか。

 


モスクワ経由で成田へ

コペンハーゲンで1泊した翌日はもう日本に向けて出発です。コペンハーゲンカストロップ国際空港からの出国にはパスポートのチェックはありません。手荷物検査を済ませると、この旅行で4回目の旧ソ連の旅客機への搭乗です。モスクワまでは短距離用の標準型、ボーイング727によく似たツボレフ154でした。

市内を縦横に走る黄色い連接タイプの市バス アエロフロートのツポレフ154型旅客機

モスクワから乗り継いだ飛行機は、同じアエロフロートでもエアバス社のA310。旧ソ連の飛行機に慣れた目に、西側の飛行機がまぶしく映ります。同じエコノミーでもシートの座り心地は格段の差。ぐっすり眠って成田の地を踏むことができました。

 


旅のヒント

スウェーデン、ノルウェー、デンマークの北欧3ヶ国は、言語はよく似ており、通貨はレートが若干異なるもののいずれもクローネ、日本人から見れば違いがわかりません。スカンジナビア航空として国際線の航空機を共同運行したり、日本における観光の窓口も、スカンジナビア政府観光局として共同で運営しています。この3ヶ国へお出かけの方や観光情報を入手したい方は、ここを訪問されることをおすすめします。

北欧3ヶ国は福祉の国ですが、その財源確保のために税金は高くなっています。消費税は20〜25%でなかったかと思います。円高の95年当時で、物価の高いことは日本と変わらないように思いました。パッケージツアーで行くなら、なるべく食事付きのツアーを選定することをおすすめします。食事の多くは、北欧式バイキング(バイキングは日本語で、英語ではbuffetといいます)のスモーガスボードで、肉や魚、野菜も豊富でとてもおいしいです。個人で旅行される方には、ユーレイルパス又はその北欧3国版、スカンジナビアレールパスがおすすめです。

北欧3ヶ国の中で、日本からの直行便があるのはコペンハーゲンだけです。また、成田からロンドン直行便等もコペンハーゲンの上空を通過した後、ヒースローに向けて降下をはじめますので、コペンハーゲンは意外と日本から近いヨーロッパの玄関口ということもできます。

鉄道ファンにとって、デンマークは今では数少なくなった連絡船による列車の航送を体験できる国ではないでしょうか。すでに国内の大半やスウェーデンとのオーレスン海峡は、橋や海底トンネルでレールが直結されたそうですが、ドイツのハンブルグからコペンハーゲン行きの列車に乗ると、寝台車ごと連絡船に乗り込み海を渡る体験ができることをTV朝日の“世界の車窓から”で見ました。

今回はオスロからフェリーで入国しましたが、次回はぜひ鉄道連絡船でデンマークに入国したいと思っています。

1995年7月 旅
1999年8月 記
2004年12月 改

 


お役に立つリンク集

これからお出かけになる方や鉄道ファンの方に役立ちそうなリンクをそろえました