“エジプトの寝台列車 1991”


エジプトに行ってから、もう10年になります。でも10年って、エジプト5000年の歴史から見ればわずか0.2%、ほんの誤差範囲ですから、カイロの地下鉄が延び、都心部の市電の路線が一部廃止された以外は、何も変わっていないでしょう。

▲ 一般の寝台車ギザ駅

でもこの間、1997年にルクソール西岸のハトシェプスト女王葬祭殿で、イスラム過激派による外国人観光客をねらったテロ事件が起き、JTBのツアー客の日本人を含む多くの犠牲者が出ました。その後、軍が治安体制を強化し、エジプト観光が再開されましたが、カイロとルクソールの間の陸路は安全が確保できないとのことで、日本の外務省からは危険度2の観光自粛勧告が継続され、この間は飛行機による移動が原則となっています。どうしても列車に乗りたければ個人のリスクで、ということになっています。

▲ エジプト国鉄のDLに牽かれワゴン・リの入線 ギザ駅

首都カイロのラムセス中央駅から南へ、ナイル川に沿ってルクソールまでアスワン行きの夜行列車が何本かあり、10時間ほどで運んでくれます。大半はエジプト国鉄の列車ですが、その中に1本だけエジプシャン・ワゴン・リ社が運行する観光列車があります。

▲ ワゴン・リの寝台車 左はクルマを積んだ貨車ルクソール駅

ワゴン・リといえば、かつてロンドンからイスタンブールへ、オリエント急行を運行していた会社で、そのエジプト法人の運行する列車とのことで、大いに期待したのですが、実態は……。

▲ ルクソール駅 向こうに日本と同じマルタイ(保線用機械)

当時の8mmビデオよりキャプチャーしています。画質が悪いのはご容赦ください。

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