“台湾高鐡(台湾新幹線)建設中”


初めて日本の新幹線をシステムとして輸出したのが台湾新幹線です。台湾高鐡(Taiwan High Speed Rail)の名前で、中華民国の臨時首都台北から西海岸沿いに南へ、第2の都市高雄まで345kmの間で建設工事が進められています。

在来線が日本と同じ狭軌の台湾では、ヨーロッパや韓国のように標準軌の新幹線が在来線に乗り入れることはできず、日本と同様に新幹線は在来線とは全く別の路線として建設されています。完成時には最高速度300km/h、台北−高雄の所要時間は1時間半を予定しています。

▲ 台湾高鐡(Taiwan High Speed Rail) の工事で閉鎖された台北駅の地下ホーム 2004/12/25

2004年末現在、台北駅(台北車站)では4面8線ある地下ホームのうち、1番ホームと2番ホームの2面4線が閉鎖され、新幹線(高鐡)に転用する工事が進んでいます。

在来線は残りの3番ホームの両面A、Bと4番ホーム両面A、Bの2面4線を使用して運転されていますが、名鉄新名古屋と同様に台北駅が始発や終着の列車の設定がないため、多くの列車を問題なくさばいています。

新幹線も、いずれは台北駅の東に路線を延ばして始発は南港駅になるとか。

▲ 自強号(在来線の特急)の車窓から見た台中の先で在来線との交差部分に建設中の高鐡台中駅

台北から台中、嘉義、台南を経て高雄まで、台湾国鉄の西部幹線を走る列車の車窓から、建設中の新幹線の高架橋や新駅を望むことができます。

西部幹線が海線と山線に分かれる区間では、山線の台中の少し先で在来線との交差部分に新駅、高鐡台中駅の工事が進んでいます。

▲ 平快車(鈍行)の汚れたガラス越しに見る高鐡の高架橋 ポールが立ち架線はこれから

線路は、日本の東北や上越新幹線のようにコンクリート製の高架橋の部分が多いように見受けます。

嘉義の手前ではポールが立ちこれから架線の工事が始まるようでした。一方、台南付近ではすでに架線も張られていますが、10月末に予定されていた試運転 の開始が遅れているようで、車両は見かけませんでした。

▲ 再び乗り換えた自強号の車窓から見る架線も張られ完成した高鐡の路線

終着駅は、高雄から在来線で台北方面に1駅の左營駅の近くに、新幹線と在来線の駅を併設するかたちで高鐡左營が建設されています。

これ以外の各駅は、在来線と接続しない郊外に建設されており、街中に駅がある在来線に比べると不便なように見受けます が、いずれは新駅周辺が発展することになるのでしょう。

▲ 高雄から台北方面へ1駅の左營駅近くに建設中の終着駅高鐡左營 手前が在来線 向こうが高鐡

開業予定は2005年10月末ですが、工事の遅れにより東海道・山陽新幹線の700系をベースにした700T型新幹線が走り始めるのは、2006年の2月頃になりそうです。

詳しくは、台湾高鐡のホームページ高鐡探索館どうぞ(繁体字中国語Big5フォントをインストールしてください)。

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