“クライストチャーチのトラムウエーレストラン”


ニュージーランド南島の東海岸に位置するクライストチャーチは、人口30万人余りで北島のオークランド、首都のウエリントンに次ぐニュージーランド第3の都市。英国以外では最も英国的といわれる落ち着いた街並みで、観光客に人気があります。

クライストチャーチのシンボルは、街の中心にそびえる大聖堂(カセドラル)。その前を走る路面電車(トラム)は、1954年の廃止から半世紀を経て1995年に復活して以来、今ではすっかり街並みにとけ込み、毎日多くの観光客を乗せて賑わっています。

▲ 観光客に人気のトラムカー バックにクライストチャーチのシンボル大聖堂 2005/9/21

トラムカーはクライストチャーチオリジナルの他、ダニーデンなどニュージーランドの他都市や隣国オーストリラリアから集められたクラシックな車両ばかりです。観光が主目的のため、運転手さんの案内を聞きながら街の中心にある1周2.5kmの単線を、時計回りに25分ほどかけてゆっくりと回ります。運転時間も、朝の9時から夕方18時まで、夏季は夜の21時まで延長されます。

一般のトラムが運行を終えた19時過ぎになると、トラムのターミナルになっている大聖堂近くのカセドラルジャンクションに乗客が集まってきます。そこに現れるのが、方向幕に“Restaurant”と表示した紺とクリーム色に塗り分けた大型のトラムカー。

▲ 始発のカセドラルジャンクションでトラムウエーレストランカーに乗車する乗客

オーストラリアのメルボルンで使われ、シドニーの博物館にあった車両をニュージーランドに譲り受け、車内にテーブル席やキッチン、トイレを設けてレストランに改造し、1996年から走り始めたとの説明があります。

▲ 柔らかい白熱灯、木工の工芸品のようなクラシックトラムの車内

乗客がそれぞれ席に着くと、19時30分にトラムウエーレストランカーはゆっくりと動きはじめ、夜の街に出て行きます。カセドラルジャンクションの次は大聖堂前の広場、カセドラルスクエアー。ここからも、 その次のウスター橋の停留所でも、乗客が乗ってきてテーブルは満席になります。

▲ スターターはホームスタイルブレッドのセレクション

今夜のメニューは、クライストチャーチ市内高級ホテルのレストランのシェフがつくるコース料理。スターターはホームスタイルブレッドのセレクション、アントレーは本日のスープ、チキンとブルーベリーのテリーヌ、ローストマッシュルームカップの3種類の中から選べます。

▲ アントレーはローストマッシュルームカップ

メインはラム(子羊)、ポーク、サーモン、それに豆腐と野菜包みの4種類から選べます。ニュージーランド料理といえばラムでしょう。子羊は羊特有の臭みもなくおいしくいただけます。

▲ メインのカンタベリーラックオブラム

デザートは、チョコレートカップ、パッションフルーツムース、チーズボードの中から選べます。乗客の半分ほどが日本人観光客のため、日本語メニューも用意されています。

▲ デザートのパッションフルーツムース

こうして、2時間ほどかけてのんびりと夜の市内を巡りながら食事を楽しんだあと、乗客はそれぞれホテルの最寄りの停留所で下車していきます。

▲ 照明が消えて暗くなったカセドラルジャンクションに戻ったトラムウエーレストランカー

食後のコーヒーも飲み終えたころ、トラムウエーレストランカーは市内を4周して、もう明かりが消されて暗くなったカセドラルジャンクションに戻り、ここで下車しました。まだ車内に残ってお酒を楽しんでいる乗客のため、電車はしばし停車の後、もう1周すべく発車していきます。

クライストチャーチトラムの詳細やトラムウエーレストランのメニュー等は、こちらをご覧ください

戻る