“スイス アルプス 氷河急行 
マッターホルン・ゴッタルド鉄道”  


ここをクリックして“旅の車窓から”へ

東のサンモリッツから西のツェルマットまで、8時間余りの時間をかけて標高差1400mを登ったりおりたり、アルプスの山々に抱かれた美しい車窓をゆっくりと楽しめる列車が“GLACIER EXPRESS 氷河急行”です。

▲ 信号所で氷河急行の列車交換 機関車の次の青い客車は食堂車

アルプスの山麓を東西にむすぶ氷河急行はスイス国鉄ではありません。線路幅がちょうど1mのナローゲージの私鉄3社の路線をつなげたもので、それぞれの会社の接続駅で機関車は交代しますが、乗客の乗った客車はそのまま直通します。

ナローゲージだからでしょう、氷河急行の客車はスイス国鉄に比べて長さも幅も一回り小さく、3社とも赤い色に塗られています。窓の上の黄色のラインは一等を表します。イタリアのデザイナーの手による新しいパノラマ一等車はエアコン付きですが、窓が開かないので夏の車窓を楽しむには旧型車の方が良いでしょう。

▲ 氷河急行の最高地点付近 標高2033mのオーバーアルプ峠を越える

3社の中で、中央部分の区間を担当するフルカ・オーバーアルプ鉄道と西の区間を担当するブリーク・フィスプ・ツェルマット鉄道は、2003年に合併してマッターホルン・ゴッタルド鉄道となったそうです。夏のハイシーズンには4往復の氷河急行が運行されます。ディセンティス駅でレーティッシェ鉄道から引き継いだ客車を、車体にFOと大きく書いたフルカ・オーバーアルプ線のアプト式電気機関車が牽引して、急勾配に挑みます。

▲ 機関車の前方にこれから降りていくアンデルマットの集落が見える

オーバーアルプ峠を越えると、アンデルマットに向けて急勾配を一気に下っていきます。アンデルマットは東西にフルカ・オーバーアルプ線が通り、その地下を南北にチューリッヒとイタリアのミラノをむすぶスイス国鉄のゴッタルドトンネルが貫通しており、アルプスの十字路と呼ばれています。

▲ アンデルマットを出てフルカトンネルに向かう氷河急行

アンデルマットを出た氷河急行は、フルカ峠を全長15kmに及ぶトンネルで抜けます。かつての峠越えの列車にははローヌ氷河の末端部が車窓に迫り、GLACIER EXPRESS 氷河急行”の名前のもとになたとか。一旦廃線となった峠越えの旧線は、フルカ歯車式蒸気鉄道として復活しています。旧線時代に活躍したであろう、デッキ付きの旧型アプト式電気機関車が、ディセンティスの機関庫で休んでいました。

▲ ディセンティスの機関庫で休むデッキ付き旧型のアプト式機関車

フルカトンネルを越えて国鉄との接続駅ブリークまで降りてくると、マッターホルンを描いたブリーク・フィスプ・ツェルマット線の電気機関車と交代です。フィスプを過ぎると深い渓谷沿いの急勾配をマッターホルンのふもとツェルマットを目指して氷河急行は登っていきます。

▲ BVZの機関車に牽かれマッターホルンのふもと 終点のツェルマットに到着した氷河急行

戻る