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アジアへ渡るエミノニュ桟橋

旧市街の路面電車の始発は、シルケジ駅前から1停留所手前、新市街へ渡るガラタ橋のたもとのエミノニュ桟橋で、アジア側へ渡る船の乗り場が並んでいます。スパイスの香りが漂うエジプシャンバザールや、イエニ・ジャミイという大きなイスラム寺院もそばにあります。

LRTの始発はガラタ橋のたもとのエミノニュ エジプシャンバザール前の賑わい

エミノニュ桟橋に、イスタンブール名物サバサンド売りの小型船がやってきます。木の葉のように揺れる船内で調理した焼きサバ又は唐揚げサバとタマネギスライスをフランスパンにはさんだ物で、日本人にもなかなか美味です。

ガラタ橋のたもとでサバサンド製造直売の船 新市街側から見た金角湾と旧市街 アジアへ渡る船

新市街のオールドトラム

アジア側とヨーロッパ側を結ぶボスポラス大橋や日本が架けた第二ボスポラス大橋は高速道路が通っていますが、通勤や買い物の庶民の多くはヨーロッパ側のエミノニュ桟橋やガラタ橋を渡ったカラキョイと、アジア側の始発駅ハイダルパシャをはじめとする数カ所の船着き場の間を結ぶ船で移動します。フェリーもありますが大半は客船で、日本ではもう見かけないリベットどめの老巧船も使われています。

地元の人々と一緒に片道40円のボスポラス海峡クルーズを楽しみ、アジア側でタクシーを拾ってボスポラス大橋を渡り、ヨーロッパ側新市街のの中心、タキシム広場にやってきました。

イスティクラール通りのオールドトラム 子供はただ乗り

ここからイスタンブールで一番賑やかな、イスティクラール通りを小さなオールドトラムが走っています。地下鉄に接続するトュネルまでの短い区間で、途中1ヶ所の交換可能な停留所を除き単線です。かつてはイスタンブール市内を縦横に走っていた市電を復活させたそうで、いつも観光客で満員です。

新市街の市電 後ろは地下鉄トュネル駅 世界最短の地下鉄、パリより早くできたとか

市電の終点トュネルで地下鉄に接続しています。ここからガラタ橋のたもとのカラキョイまで全長500mの世界一短い地下鉄で、途中に駅はありません。かなりの勾配で、モータ音がしないことから、実際には地下ケーブルカーだと思います。

カラキョイで地上に出て、ガラタ橋を歩いて渡るとエミノニュ桟橋に戻ってきました。


旅のヒント

トルコは、日本ではあまりお馴染みではありませんが、観光旅行にぜひお勧めしたい国の一つです。カッパドキアやパムッカレのような自然の造形物とギリシャ時代からの歴史を伝える遺跡群の数々、活気に満ちたイスタンブールなど、どこへ行っても観光客を飽きさせることがありません。日本からのパッケージツアーは、ほとんどが上記のコースまたはその逆回りで、8〜10日ですが、最低でも10日間はほしいと思います。

他の発展途上国と同様に、交通機関はバスが発達しています。鉄道で主な観光地をまわることは困難なようです。イスタンブール−アンカラ間で夜行の寝台列車を利用するツアーもあります。私の場合は残念ながらトルコ航空の国内線でした。安いツアーではイスタンブール−アンカラ間もバスで運ばれることもあるようです。どうしても鉄道でという方には、トルコ国鉄が特別車両を用意した、トルコ鉄道の旅2000年 はいかがでしょうか。

アナトリアは、夏は暑く冬は寒い内陸性の厳しい気候です。私は、5月のゴールデンウイークに行きましたが、やはりこの時期がベストシーズンです。

99年の地震以降、敵対していた隣国ギリシャとの関係改善の機運がみられますが、クルド人問題などをかかえています。テロの備えから、トルコ航空の搭乗時にはボーディングブリッジを使用せず、事前に預けた荷物を機体の下に並べ、乗客は自分の荷物と確認したものを職員に指さして示してから、タラップをのぼって機内に入ります。乗客が確認した荷物だけが積み込まれることになりますが、こんなことをしているので搭乗や荷物の積み込みに手間取り、出発が遅れます。イスタンブールの5つ星ホテル、ホリデーイン・クラウンプラザには、入り口に空港と同じ金属検知器が設置してありました。入ってくる客が通ると“キンコン・キンコン”となっていましたが、誰も無視をしたまま。こんなアバウトさもトルコ人らしいところでしょうか。

イスラムの国ですが、文字はアラビア文字ではなくアルファベットが使われています。意味は分からなくても、私たち外国人にも判別できる点は楽です。私は、アラブ圏はトルコの他にはエジプトしか行ったことがありませんが、トルコ料理は比較的日本人の口にも合い、おいしくいただくことができました(エジプト料理はちょっと……)。もちろん、お酒もあります。ビールはエフェソスという銘柄がシェアを持っているようでしたが、あまりおいしいとは感じませんでした。

国民は親日的といわれています。これは、トルコ人が大嫌いなロシアを日露戦争で日本が敗ったためとか。でも、大多数の人は日本のことは良く知りません。イスタンブールの街中で、日本語で声をかけてくる連中には相手にしない方が良いでしょう。チャナッカレの街中で、オープンカフェにいた若い連中が日本語で声をかけてきたので、“絨毯屋だろうから相手にしないでおこう”と話しながら通り過ぎたところ、私たちの話を聞いていて追いかけてきました。“自分たちはチャナッカレ大学の日本語学科の学生で、絨毯屋ではない”と言い、流ちょうな日本語で日本のことを聞いてきました。日本への留学を希望しているとのことで、わかる範囲で日本の状況を説明しておきました。

1997.5旅
2000.4記


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