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マレー鉄道クアラルンプール駅

1885年に、今ではKLコミューターの走る支線となった、港のあるクランまでの鉄道が開通したとき 、クアラルンプール駅は現在地に建設されたそうです。1911年に今の駅舎が完成し、2002年4月に隣にKLセントラル駅が開業するまで国際列車や長距離列車の発着するクアラルンプールの中心駅 としてシンボル的存在でした。

今はKLセントラルにその地位を譲った
クアラルンプール駅
クアラルンプールを通過する
パタワース発KLセントラル行き夜行列車

今では、KLコミューターの電車のみが停車する駅となり、長いホームをもてあますかのようにホームの途中に自動改札機が設けられています。

単機回送のマレー鉄道のディーゼル機関車 マレー鉄道の寝台車

長距離列車はこの駅には停車しなくなりました。2001年末現在で、この駅を通過するKLセントラルから北に向かう長距離列車は、途中で複線化工事が行われているため昼間の列車は全て運休となり、パタワース行きの夜行列車1往復のみとなっています。

 


古都マラッカへ

マラッカは、クアラルンプールの南東へバスで2時間あまり、マラッカ海峡に面したマレーシア最古の街です。14世紀にスマトラ島から移ってきた王国が始まりだそうで、中国南部から移住した中国人男性とマレー人女性の間に生まれた末裔が、ババ・ニョニャ文化と呼ばれる独自の文化をはぐくんできましが、16世紀以後は、ポルトガルオランダイギリスと支配者が変わったものの植民地支配の拠点となってきました。

マラッカ市内に鉄道は通っておらず、クアラルンプールから列車で行く場合にはシンガポールへ向かう急行で2時間のマレー鉄道の最寄り駅タンピンからバスに乗り換えて1時間あまりかかるため、2時間弱で直行できるバスの方が現実的です。

サンティアゴ砦 後方の丘の上にセントポール教会 マラッカの象徴ともいえるオランダのキリスト教教会

マラッカの見所は、狭い市街地に集まっています。サンティアゴ要塞は、この地を支配していたポルトガル軍がオランダとの戦いに備えて16世紀の初頭に建設したもので、現在は門だけが往時の姿をとどめています。その後ろのマラッカ海峡を見下ろす丘の上にはキリスト教普及の拠点として、16世紀初めにポルトガルが建たカトリックのセント・ポール教会。フランシスコ・ザビエルの遺体が、インドに埋葬される前の一時期安置されていたところだが、プロテスタントに破壊され外壁のみが残っています。

丘の下には、18世紀半ばにオランダが本国から運んできたレンガで建てたプロテスタントの教会があり、マラッカのシンボルとなっています。

ババ・ニョニャ・ヘリテイジ チェン・フーン・テン寺院

19世紀の後半のマラッカの大富豪宅を公開しているのがババ・ニョニャ・ヘリテイジです。ヨーロッパや中国、日本の調度品や美術品に当時の豪華な生活をかいま見ることが出来ます。 撮影禁止のため内部の写真はありません。

チェン・フーン・テン寺院は、17世紀、明の時代に中国からもってきた資材で建てられた、マレーシア最古の南中国様式の寺院です。

 


旅のヒント

本文中にも書きましたが、マレーシア、特にクアラルンプールの交通事情は日々変化しています。お出かけになる前には下記のサイト等で最新情報をご確認ください。特に、2001年末段階ではマレー鉄道のクアラルンプールから北の方面の長距離列車は、複線電化工事のため夜行列車1往復のみの運転になっていました。

マレーシアは、マハティール首相の強力な指導力のもとで急激な発展を遂げました。そのお手本になったのがアジアの経済大国日本です。でも、ここ数年で急速に整備されたクアラルンプールの市内交通を見ると、優秀なハードに対してお粗末なソフトという日本の悪い見本をそのまま持ち込んでしまったようです。

ヨーロッパでは、市内交通の運賃は均一またはゾーン制を取り入れて、一定時間以内なら国鉄、地下鉄、路面電車、バス等を自由に乗り継げる、利用者優先のシステムを取り入れている例が多いようです。それに対して、ここクアラルンプールでは、それぞれの交通機関がバラバラ、事業者優先のシステムです。

KLセントラル駅が出来て初めてKTMとプトラLRTが同一駅で乗り換えが出来るようになったものの、切符は別々。同じLRTでもスターとプトラでは経営が違うのでしょう、券売機にあるのは自社の駅のみで、相手の路線図すら掲示されていません。東京でも、JRの駅に地下鉄の路線図はありませんが、営団と都営は乗り継ぎ割引や最近ではカードの共通化もはかっています。

KTMにはある一日乗車券も、都心部を通っていてその必要性の高い2社のLRTにはありません。2人で動くなら、スターとプトラを乗り継ぐ様な場所はタクシーで行った方が安くあがります。2002年にはKTMやLRTと交差するモノレールが開通しましたが、これもまた独立した運賃のシステムを採用しているのではないでしょうか。

でも、手軽に異国情緒が味わえる国として、マレーシアはお勧めです。次の機会には、今回十分な時間がとれなかったマレー鉄道の長距離列車に乗って、バンコクからペナン島にでも立ち寄りながらシンガポールまで走破したいと思っています。

2001年12月旅
2002年7月記
2004年2月改

 


お役に立つリンク集

これからお出かけになる方や鉄道ファンの方に役立ちそうなリンクをそろえました