水の都蘇州
20時過ぎに蘇州の駅前に降り立った時、オレンジ色のわずかなナトリウム灯の明かりだけで、上海にもまして街が暗いことに驚きました。足元がほとんど見えません。当時の中国の電力事情の悪さを物語っています。
ホテルに1泊した翌日は雨の中を観光に出かけます。蘇州は名園と運河で知られる江南の古都で、東洋のベネチアとも呼ばれています。朝の通勤時間と重なり、合羽を着た自転車の軍団に行く手を阻まれます。千年来の鐘声で全国に知られた臨済宗の名刹“寒山寺”を訪れた後、春秋戦国時代に呉の王の離宮があったといわれる虎丘に向かいます。
蘇州の運河 | 寒山寺 |
標高30mの虎丘の頂上には、蘇州のシンボルである虎丘塔がそびえます。七層八角の塔で、イタリアのピサの斜塔のように傾いていますが、こちらはもう1000年以上そびえているそうです。孫悟空が空から虎丘に塔を落としたため、斜めに傾いてしまったとか。
蘇州の名産、絹の刺繍工場を見学してから駅に向かいます。
蘇州のシンボル虎丘塔 | 南京西行き 306次直快 |
上海発南京西行きの306次直快が、緑のディーゼル機関車を先頭に蘇州駅のホームに入ってきました。中国にしては短距離の列車のためか、蘇州での乗降客は少なく、硬座車でも中国名物の大きな荷物を抱えての押し合いへし合いはみられませんでした。
蘇州駅で306次直快に乗り込む人々 | 蘇州駅のホームの弁当売りのおばさん |
列車は車窓に江南ののどかな田園風景を眺めながら、1時間弱で無錫に到着します。
蘇州駅入場券 | 蘇州−無錫間の乗車券 |