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旅の車窓から

スウェーデン マルメ

スウェーデン鉄道の旅 隣国デンマークの首都コペンハーゲンから、海底トンネルと橋で海を列車で渡り、スウェーデンのマルメにご案内します。


デンマークからちょっとだけスウェーデン

2019年のゴールデンウイークは10連休。出発を1日と数時間前倒しすると経由便ながら羽田→コペンハーゲン、フランクフルト→羽田のオープンジョーで、サーチャージや税もコミコミ8万円を切る航空券を見つけたのが2018年6月。羽田発や現地発の時間帯も良いので、まだ出発が10ヶ月以上先ではあるものの、先手を打って迷わずゲット。

往復の機中泊を含めると11泊12日、現地滞在正味10日の旅の入り口にコペンハーゲン、出口にフランクフルトを選んだんだのは、デンマークとドイツの間の海峡で列車を連絡船(フェリー)に乗せて航送する渡り鳥ラインと呼ばれるコースに乗ってみたかったから。

デンマーク訪問は、1995年以来実に24年ぶり。ユトランド半島と多くの島々からなるこの国の鉄道は、連絡船で海を渡っていたものが、今では海底トンネルや橋で直接結ばれるように。スカンジナビア半島にある隣国スウェーデンとの間も、2000年に エーレ海峡が海底トンネルと橋でつながり、デンマークの首都コペンハーゲンスからウェーデンのマルメへ、直通列車の運行が開始。

※ 2ページの末尾にそれぞれリンク先を設けました。詳しく知りたい方はご利用ください。


デンマークから列車でスウェーデンへ

物価の高いデンマークは1泊で切り上げ、2日目の午後はドイツに向かうことに。その前に、エーレ海峡を海底トンネルと橋で渡るオーレスン・リンクの列車に乗って、隣国スウェーデンのマルメを見にいこうとやってきたのが、朝のコペンハーゲン中央駅。

▲ コペンハーゲン中央駅

駅構内にある、オレンジ色で Tickets to Sweden の表示がある Skånetrafiken の券売機。路線図には、スウェーデン国鉄のマルメ近郊路線が掲載されていて、スウェーデン南部の公共交通機関を運営する会社らしい。コペンハーゲンまで乗り入れてくる、首都ストックホルム方面の高速列車等、さらに遠方へのチケットは、左側のスウェーデン国鉄SJの緑の券売機で買うのでしょう。

▲ コペンハーゲン中央駅にスウェーデンの券売機

オレンジの券売機でマルメ中央駅まで買って、後でクレジットカードの請求を見ると、47kmで1,550円。前日のコペンハーゲンからオーデンセ往復は、事前に早割で買っているので比較はできないものの、オーレスンリンクは北欧の高い物価に対応した運賃設定です。

ホームの発車案内で、次の列車の行き先は Hässleholm。ヘスレホルム中央駅って何処? コペンハーゲン空港経由になっているので間違いはないと思うが、スマホで検索してマルメから先のスウェーデンの街だとわかり一安心。その次の列車は空港止まりで、昼間は空港まで概ね10分間隔、海峡を越えてマルメへは20分間隔となり、マルメから先は列車により行き先が分かれ、一部はスウェーデン第二の都市ヨーテボリまで直通しているるようです。

▲ ホームの行き先と発車時刻案内

コペンハーゲン中央駅に、ヘスレホルム行きの電車が入線。始発は、コペンハーゲンの北へ46kmのヘルシンゴー。オーレスン・リンク開通前は、海峡を隔てたスウェーデンのヘルシンボリとの間で、鉄道連絡船による車両航送が行われていました。今もこの間にはフェリーが就航しているので、コペンハーゲン→ヘルシンゴー→ヘルシンボリ→マルメ→コペンハーゲンと一周もしてみたかったけど、午後便でドイツに向かうので、無理をせず単純にマルメを往復することに。

▲ スウェーデンのヘスレホルム行き電車

オーレスン・リンクと呼ばれるこの路線は、デンマーク国鉄とスウェーデンのオーレスントーが共同で、途中に国際空港があるからか1日24時間の運行。車両は共通で、黒いゴムタイヤ顔のボギー車3両1組のアドトランツ製のET型電車を2編成併結した6両編成。

▲ ET型電車でスウェーデンのマルメへ

デンマークの鉄道はAC15kVの50Hz、スウェーデンはAC25kVで16.7Hzと電圧や周波数が異なり、オーレスン・リンクを通る車両はこの両方に対応。

▲ ET型電車の車内

 

オーレスン・リンクの車窓

コペンハーゲン中央駅を発車するとデンマーク国鉄の車両基地があり、二階建て客車やICの電車が車窓を横切ります。

▲ 車両基地の電車や客車

ディーゼル機関車の姿も。

▲ 車両基地の機関車と客車

コペンハーゲン空港駅を発車すると、すぐに海底トンネルへ。海峡のトンネルを抜けると、細長い島を走ります。この人工島はデンマーク領。ここでデンマークからスウェーデンの信号システムに切り替わるらしい。

▲ 人工島を走る

線路の上に高速道路が乗ってくると海の上へ、オーレスン橋でエーレ海峡を渡り始めます。

▲ 頭上に高速道路が乗ってきて海へ

オーレスン橋は瀬戸大橋と同じ、高速道路の下に鉄道が通る二重構造。橋の構造物が列車の車窓の視界を妨げるのも、瀬戸大橋と同じ。デンマークの鉄道は右側、スウェーデンは左側通行だけど、オーレスン・リンクは右側通行。

▲ 橋の構造物が目障り

前日に、コペンハーゲン国際空港に着陸する前に機内から見たオーレスン橋。右がスウェーデン、左がデンマーク、奥が北海、手前がバルト海。

▲ オーレスン橋

橋を渡り終えると電圧が切り替わり、列車はスウェーデン最初の駅 Hyllie に停車。

既にマルメ市内で、この駅で入管の職員なのか複数の係官が乗ってきて乗客のパスポートをチェック。スウェーデンもデンマークもシェンゲン協定加盟国なので出入国管理はないはずだが、シリアを始めとする中東難民が大挙してヨーロッパに押し寄せ混乱した2015年から、デンマーク側からの入国者に対するチェックが始まったらしい。

▲ 最初の停車駅 Hyllie

2001年のオーレスン橋開通時には、橋から先で既存の路線合流してして、頭端式ホームのマルメ中央駅へ向かっていたが、橋の直後で分岐して Hyllie を経て新設したマルメ中央駅の通過式の地下ホームへに直結する、市街地の下を通る地下路線が2010年に開通。所要時間を短縮し、中央駅でのスイッチバックも解消。

 

マルメに到着

電車は、コペンハーゲン中央駅から40分で、マルメ中央駅の地下ホームに到着。先頭車の運転室後部からドアまでの間、窓上に黄色の線が引かれた部分は1等席。

▲ マルメ中央駅の地下ホームに到着

電車が発車した後に、地下ホームの壁面に投影されるイメージビデオ。

▲ 地下ホームの壁にイメージビデオ

地上に上がると、賑わう駅の構内。発着案内を見ると、列車の本数は多そう。

▲ マルメ中央駅の構内

駅舎は赤煉瓦の平屋建て。クリーム色の時計塔と二階建ては増築部分でしょうか。

▲ マルメ中央駅の駅舎

 

マルメ旧市街

中央駅の北側はバルト海に面した港。南側の運河には遊覧船の乗り場。

▲ 駅前の運河

運河に架かる橋を渡って、マルメ旧市街へ。人口30万人余りのマルメは、首都ストックホルム、ヨーテボリに次いでスウェーデンで3番目の街。

▲ 橋の南側がマルメ旧市街

マルメで一番広いストートリィ広場。

▲ ストートリィ広場

広場の噴水の向こうに建つのは、時計塔のある市庁舎。

▲ 赤煉瓦の市庁舎

広場の中央に立つ騎馬像は、スウェーデン王のカール10世。ポーランド、ロシア、デンマークなどの周辺国と闘い、17世紀末にはデンマークに支配されていたマルメを奪還したのだとか。

▲ カール10世騎馬像

広場から南に向かう道は、歩行者天国のスーデルガータン通り。その入り口にある金のライオンを掲げたライオン薬局は、16世紀後半から続くマルメ最古の薬局だとか。

▲ 左がライオン薬局

ライオン薬局を背に、歩行者天国の通りを進む5人の楽団。

▲ スーデルガータン通り


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