南部幹線から泰緬鉄道へ

南部幹線は単線です。列車は駅で交換します。線路は一線スルーになっており、優等列車は高速で通過していきます。新しくはないものの、どの駅もきれいに整備されて花が植えられ、駅員も多く見かけて、30年前の日本の国鉄のようです。物売りは、途中の交換駅で下車して対向列車に乗り換えて帰っていき、また新しい人が乗ってきます。

日本製と思われるステンレス製のローカル気動車と交換 マレーシアへ向かう国際急行列車が追い抜いていく

西に向かっていた南部幹線は、ノーンプラーンドゥックジャンクションで大きく左にカーブし、南のマレーシアを目指します。私たちの乗ったナム・トク行きの普通列車はまっすぐ西に進み、いよいよ泰緬鉄道の区間に入ります。南部幹線から分かれたとたんに線路状態は悪くなり、停車する駅も無人駅、短いホームには列車の一部しかかからなくなります。

これがタイの踏切警手と遮断機 踏切の向こうがクゥエー川鉄橋駅 爆弾の左側が鉄橋

こうして、トンブリ駅を出てから2時間20分で泰緬鉄道はじめての大きな駅カンチャナブリに到着。ここで欧米人の観光客が大勢乗ってきました。次は3分ほどでクゥエー川鉄橋駅。無人駅で2両分ほどの長さの低いホーム以外には何もありません。私は、間違ってデッキからホームの反対側に降りてしまいました。


戦場に架ける橋 クゥエー川鉄橋

私たちをおろした列車は、観光客が見守る中でゆっくりと「戦場に架ける橋」を渡り始めます。橋の手前には、ピンクに塗られた本物の爆弾をを利用したモニュメントが線路の両脇に立っています。

この橋は1943年2月に木造の橋として完成したそうです。しかし、連合軍の爆撃で何度も破壊され、2度目から鉄の橋になりました。現在の橋は戦後の修復ですが、丸くカーブした部分はオリジナル、台形のところは新しく作られた部分だそうです。

クワイ川鉄橋にさしかかる列車と爆弾のモニュメント 戦場に架ける橋を渡る列車 最後尾は旅客と荷物合造車

列車が行ってしまうとあたりには静寂が戻ってきます。観光客や地元の人々が鉄橋を渡ります。バイクが警笛を鳴らして人々を追い散らしていきます。

鉄橋はバイクも通る地元の人の通路 鉄橋を見渡す水上レストランで昼食

鉄橋の向こう側に渡ってみましたが、そこには象が観光客を乗せるために待っているだけで、他には何もありませんでした。

再び鉄橋を渡って戻り昼食にします。ガイドの彼女はカンチャナブリは初めてだそうですが、会社で聞いてきたという鉄橋のたもとの川に浮かぶ水上レストランに案内してくれました。「コレハアマリ辛クナクテオイシイヨ」と言いながら彼女が選んでくれたメニューは、タイに滞在中で食べた食事のうちで一番おいしいものでした。しかも4人で2000円でお釣りが来ます。