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獨立山螺旋路線

北門駅を出てから、しばらくは平坦な路線を走ります。都市近郊から農村風景に変わり、檳榔樹やバナナの木がが植えられ、放し飼いの鶏が餌をついばんでいます。竹崎駅を過ぎると、勾配がきつくなり、速度が落ちてきます。樟腦寮駅を過ぎてしばらく行くと、阿里山森林鉄路の見せ場である“獨立山螺旋路線”があります。三重になったループ線の最後がご丁寧に8の字型に折り返しているもので、車窓から遙か下に通ってきた線路が見えます。ループ線の途中に獨立山駅があり、ここで下山の阿里山号と交換したと思います。

 
3重のループ線はこんな構造   下りの阿里山号と交換

阿里山号はさらに登っていき、沿線最大の町のある奮起湖駅で下りの中興号と交換しました。中興号は、中国大陸のヘッドマークを付けた赤い車体の日本車輌製のディーゼルカーです。いつかは、共産党政権を倒して国民党による中国大陸再統一を目指す、政治的なヘッドマークです。

 
左のルーバーは冷房機室 右のデッキには給茶器   下り中興号と交換

駅弁売りがまわってきました。中華ちまきを買いましたが、ちょっと油っぽかったことを記憶しています。

 

阿里山に到着

阿里山に近づくと、スイッチバックが続きます。3番目のスイッチバックが神木駅です。1ページ目のパンフレットの写真のように、駅の隣には阿里山のシンボルである樹齢三千年以上の檜の巨木が立っていました。阿里山号のヘッドマークにも、この神木が描かれています。でも、香港が中国に返還された1997年7月1日に集中豪雨があり、落雷を受けた神木幹が裂けて倒壊してしまったそうです。

阿里山駅から神木行きの区間運転列車 阿里山駅の側線に留置された普通列車の客車

神木駅からは機関車が先頭に立って、最後の勾配を上りつめると阿里山駅に到着です。この阿里山駅は1999年の台湾大地震で倒壊して再建工事中のため、その手前に臨時のホームを設けて、ここが終着となっているようです。

 


阿里山の御来光

林務局直営のホテル“阿里山賓館”に宿泊した翌朝は、夜明け前にモーニングコール。満天の星空を仰ぎながら歩いて阿里山駅の1つ先、眠月線の旧工作駅(移転前の阿里山駅で現在では沼平駅に駅名が変更になっているようです)に向かいます。阿里山駅から満員の乗客を乗せた祝山行きの列車が入線し、車内はすし詰め状態です。列車が進むにつれ、周囲が明るくなってきます。海抜2500mで空気が薄いためでしょうか、ディーゼル機関車は猛烈な煙を吐きながら客車を押し上げます。

日の出前の阿里山の雲海 観日楼から見た阿里山の御来光

祝山線の終点祝山駅から、歩いて御来光を見るのに最適な観日楼に向かいます。眼下には雲海が広がります。大勢の人々が東の空を見つめる中、山の向こうから太陽が顔をのぞかせました。阿里山の御来光はすばらしい光景です。