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眠月線はシェイではなかった

下山のバスの時刻まで、ツアーの一行は阿里山を散策し、神木を見に行ったのですが、私はこの時間を利用して眠月線の列車に阿里山駅から旧工作駅まで1駅間乗ってみることにしました。というのは、当時日本で発行されていたガイドブックに、眠月線は復活したシェイ型蒸気機関車で運行されていると書かれており、北門駅に貼られたポスターや阿里山森林鉄路のパンフレットにもシェイが掲載されています。

阿里山駅で眠月線のオープンデッキの客車 推進運転で旧工作駅を発車する眠月線の列車

阿里山駅の窓口に“阿里山站→旧工作站、單程”と書いたメモを出したところ、英語で旧工作站までの切符は売れないとの返事が返ってきました。どうしても乗りたいとねばったところ、本線の阿里山站→神木站の切符を発行してくれて、これで乗ってもいいと言ってくれました。ところが改札口でまた一悶着。中国語で切符が違うと言っているようです。英語が通じないので日本語でこれで乗って良いと言われたとやり返したところ、通してくれました。

終点石猴駅の31号機

やっとシェイの牽く列車に乗れると思ったところが、ディーゼル機関車が推進運転で客車を押しながら入線してきて、これにはがっくり。わずか数名の乗客と発車を待っていると、乗ってきた紳士が流ちょうな日本語で話しかけてきました。阿里山森林鉄路の偉いさんと見受けましたが、この方のお話では乾期は蒸気機関車が出す火の粉による森林火災を避けるため、ディーゼル機関車で運行しているとのことでした。

シェイ31号機の牽く眠月線の列車が猿の形をした岩のある終点石猴駅に到着した写真を載せておきます。これは、阿里山森林鉄路のパンフレットに掲載されていたものです。


旅のヒント

私が阿里山森林鉄路に乗車したのは1987年のことです。今では、列車本数も減り、シンボルである神木も切り倒されてしまいました。また、1999年の台湾大地震では各地で線路が寸断され、阿里山駅が使用できなくなり、観日楼が倒壊し、石猴の岩も崩れるなどの大きな被害が出たそうです。沼平−祝山間は2000年1月に、阿里山−沼平間と本線の嘉義−阿里山間は2000年2月に開通したそうですが、眠月線は運休したままのようです

台湾を訪問される際には、是非阿里山森林鉄路に乗車されることをおすすめします。切符の入手が難しいかもしれませんが、できれば嘉義から阿里山の登山のルートに乗って、阿里山で1泊してください。早起きして見る阿里山の御来光のすばらしさは、きっと想い出に残ると思います。阿里山森林遊楽区の散策も気持ちがいいです。

なお、下記のリンク集にある雑誌“光華”に書かれているように、最近再びシェイ型蒸気機関車26号が復活したそうですが、もう老骨には勾配区間の運転が難しいためか北門−竹崎間の平坦線で試運転が行われ、その後は地震の影響もあってか定期運転は行われていないようです。

1987.12旅
1999.12記


お役に立つリンク集

これからお出かけになる方や鉄道ファンの方に役立ちそうなリンクをそろえました