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海岸線に沿って、高台に立つトプカプ宮殿やアヤソフィアのすそを回り込むように国鉄の線路が敷かれ、空港の方からやってきた列車はヨーロッパの終着駅シルケジ駅に到着します。かつては、オリエント急行が到着したこの駅に、今でも長距離列車が出入りしますが、主力はフランスアルストーム社が40年以上前に製作したかなりくたびれた近郊電車です。車内はクッションのないプラスチックのクロスシートに更新されていますが、オリジナルの木製のベンチの車両も残っています。
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マルマラ海をバックにヨーロッパ側を走る国電 | 左手上方奥にボスポラス大橋を望む 対岸はアジア |
シルケジ駅の本屋側のホームには、“ORIENT EXPRESS”という名のカフェテラスがあり、私が近郊電車で到着した夕方には、夜行列車になるのでしょう、隣国ブルガリアの首都ソフィア行きの列車が発車を待っていました。車内に入ってみましたが、トイレが臭うくたびれた客車で、国際列車というにはかなりお粗末な列車と見受けました。
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頭端式のシルケジ駅ホームに停車中の国電 | ブルガリアの首都ソフィア行きの国際列車 |
駅前に路面電車、といってもモダンなLRTが発着しています。シルケジ駅前を発車したLRTは急な坂をのぼり、トプカプ宮殿、アヤソフィアやブルーモスクのそばを大きくカーブして西に向かいます。少し行くと中東最大ともいわれる大規模な多くの店の集まったグランドバザールがあり、怪しげな日本語で声をかけてきます。
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旧市街のLRT | アヤソフィアの前 |
LRTは、終点がループ線ではなく折り返し運転ですので、ヨーロッパに多いバスのような片運転台片側ドアではなく、両端に運転台があります。路面を走行しますが、各停留所には都電荒川線のようにホームが整備されていますので、ステップはありません。2車体連接車を2本つないだ連結面には運転台がないにもかかわらず、貫通式にはなっていません。車内はもちろんクロスシートです。
グランドバザールのもう少し先で、LRTは地下鉄に接続しています。いずれは、都心に乗り入れて新市街にまで達し、郊外側は空港まで延長される計画だそうですが、資金難で建設が止まっているそうです。時間がなくて、この旧市街の地下鉄には乗っていないのですが、インターネットのホームページで見るとLRTとほとんど同じ車両が使われているようです。