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“デンマーク鉄道博物館”

コペンハーゲンからオーデンセへ

デンマークは、ヨーロッパ大陸から北に延びるユトランド半島と、バルト海に浮かぶ400以上の島々で構成する北欧の国。首都コパンハーゲンのあるシェラン島や古都オーデンセのあるフュン島をはじめ、主要な島やユトランド半島、スカンジナビア半島の隣国スウェーデンとの間では、鉄道や幹線道路が橋や海底トンネルで直接結ばれています。

オーデンセは、童話作家アンデルセンの生まれた街。でも、私の目的はデンマーク鉄道博物館。首都コペンハーゲン中央駅から黒いゴムタイヤに縁取られたデンマーク顔の電車、国鉄DSBの4車体連接車、IR4型を2本併結したインターシティーに乗って出かけます。海を越える部分、大ベルト海峡は東京湾アクアラインと同様に途中まで海底トンネル、海上に出た先は橋を渡ってシェラン島からフュン島へ。1時間と40分ほどでオーデンセに到着。

▲ オーデンセに到着したIR4型電車のインターシティー

停車している流線型の列車は、4車体連節のIC4型電気式ディーゼルカー。デンマーク国鉄が古いIC3型の代替用にインターシティーで運行するため、2007年からイタリアのアンサルドブレーダ(現在は日立レール)から導入したものの、納期の遅れに加えてブレーキのトラブルをはじめとする故障が頻発。2012年以降に運行を再開したもののローカル輸送に転用。既に廃車も発生していて、数年以内には全廃予定のいわく付きの車種。

▲ IC4型ディーゼルカーの向こうに鉄道博物館

駅の裏側へ、徒歩1分でもと機関区の扇形庫を活用した鉄道博物館。コペンハーゲンからこの地に移転整備されたのが1975年で、館内にはかつてデンマーク国鉄DSBで活躍した車両が50両以上並んでいます。ヨーロッパではボランティアベースで運営しているところも多く、開館日が夏期に限定して月に1〜2日などという鉄道博物館もあるなかで、ここは、クリスマスと大晦日以外は毎日オープンしているのが遠方からの訪問者にはありがたい。

▲ 扇形庫内に歴史的な車両が並ぶ

 

蒸気機関車

それでは、館内の蒸気機関車から見ていきましょう。多くの車両には、デンマーク語、英語、ドイツ語で書かれた簡単な解説があります。

軸配置1A1、動輪が1軸のテンダ機関車ODIN号は、1847年にコペンハーゲンと32km西にあるロスキレをむすぶ、デンマークで最初の鉄道が開通したときに走った蒸気機関車のレプリカ。金ピカのドームや煙突の先端が綺麗。オリジナルは、英国マンチェスターのシャープブラザーズによって1846年に製造、1876年に廃車。

▲ デンマークの1号蒸気機関車ODIN号のレプリカ

開放的なキャブに屋根はありません。前後でバッファの形態が異なります。この機関車が稼働している動画があったので、動態保存機のようです。

▲ ODIN号の連結面

軸配置B1のテンダ機関車H型40号は、1868年に英国ニューカッスルのロバートスチーブンソン工場製5両のうちの1両で、デンマークで現存する最古の蒸気機関車。煙突に、デンマーク国旗と同じ赤と白を巻いています。はじめは軽い列車を牽引したが、やがて港での入れ換えに従事するようになったとか。デッキの上にヘッドライトを増設しているようだけど、煙室扉の開閉に支障になるのでは。

▲ テンダ機間車H型40号

軸配置Bで縦型ボイラ、キャブのない小さなタンク機、L2号機は最初の入れ換え用機関車。1869年、英国グラスゴーのチャップリン社製で、非力のために勾配のある駅では車両を押し上げることができず、1884年に引退。その後、据え置きボイラとして使われたとか。

▲ タンク機関車O型L2号

上下に動くピストンからクランク軸を駆動し、ギヤで片側の動輪に伝達し、もう一方の動輪にロッドでつながる構造のように見受けます。

▲ L2の動力伝達機構

軸配置Cのテンダ機G型78号機は、1875年南ドイツエスリンゲンのエスリンゲン社製の貨物機で1934年まで稼働。これもデッキ上に大きなヘッドライト。G型は初期の9両がドイツ製で、後期の65両はデンマーク国鉄工場製。

▲ テンダ機関車G型78号

▲ G型78号の2軸のテンダ

P型125号機は、前から見るとテンダ機関車のように見えるけど、キャブの後方にタンクを持つ軸配置B2のタンク機。キャブ側面の大きな丸いメーカープレートにによると、デュッセルドルフのホーフェンツォルレン社1882年のドイツ製。

▲ タンク機関車P型125号

軸配置1B1のタンク機、O型318号機は1898年ドイツのボルジッヒ社製。1897年に開通した、コペンハーゲンとヘルシンゲルを結ぶ海岸線に就役。1958年まで稼働。

▲ タンク機関車O型318号

軸配置2B1のテンダ機、P型931号機は1910年ドイツベルリンのシュワルツコフ製。両サイドとボイラの下にシリンダを持つ4気筒の汎用機で、1958年まで稼働。

▲ テンダ機関車P型931号

▲ 角張った931号のテンダ

▲ 931号キャブの機関士側

▲ 931号キャブの機関助士側

軸配置Dのタンク機、Q型345号機は1943年デンマークのフリック製。大規模な操車場の入れ換え用として導入され、1970年代の初頭まで活躍。

▲ タンク機関車Q型345号

軸配置2C1のテンダ機、E型994号機は1950年デンマークのフリック製の急行旅客機。1937年に電化で余剰となったスウェーデンから11両譲受した1914〜1916年製の蒸機機関車の図面をもとに、機関車不足を補うため1942年から1950年に同型機をデンマークで製造。最大出力1500hp、最高速度127km/hで、本機は1972年にデンマークに最後まで残った蒸気機関車のうちの1両。

▲ テンダ機関車E型994号

▲ 994号のキャブ

994号は、ドイツの戦時型貨物機52型のような船底型テンダーを装備。

▲ 994号のテンダー

スチーブンソンのロケット号をはじめとする、黎明期の蒸気機関車の模型も展示。

▲ 黎明期の蒸機機関車の模型

各種蒸気機関車の大型模型や、

▲ タンク機関車301号の大型模型

通信機器を操作する鉄道員でしょうか。

▲ 鉄道員


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