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旅の車窓から

ドイツ ミュンヘン・レーゲンスブルク・ツークシュピツェ

南ドイツのミュンヘンからバイエルン州版青春18切符を使ってニュルンベルク、レーゲンスブルクの周遊と、ドイツ最高峰のツークシュピーツェ山頂へご案内します。


ミュンヘンから列車を乗り継ぎローマまで

2018年のゴールデンウイークは、羽田からドイツのミュンヘンに入りイタリアのローマから帰る航空券を確保。帰国日はゴールデンウイーク最終日の5月6日にして、乗り継ぎ便を通常料金で入手できる4月25日に出発を前倒しした、11泊12日のスケジュール。2日目の早朝にミュンヘンに着き、4日目の午後の国際列車でイタリアに向かうまで、2日半の南ドイツ滞在です。

ミュンヘン中央駅前のホテルをベースに平日は9時以降、ICEやIC等の優等列車と一部の私鉄を除くバイエルン州内の鉄道に1日乗り放題のバイエルンチケットを2枚購入。1枚はミュンヘンから北へ、ニュルンベルクとレーゲンスブルクを一回り。もう1枚は南西へ、オーストリア国境にそびえるドイツ最高峰、ツークシュピツェを目指します。

※ 6ページの末尾にそれぞれリンク先を設けました。詳しく知りたい方はご利用ください。

 


空港からミュンヘン中央駅へ

ドイツ1日目は早朝にミュンヘン国際空港に着陸。入国手続きを終え荷物をピックアップ後、ドイツ鉄道の空港駅地下ホームに降り立ったのが朝の7時過ぎ。この日はバイエルンチケットで遠出をするので、土日祝日なら空港駅から終日使えるのだけど、平日は9時以降。空港で2時間近くを無駄にするわけにもいかず中央駅までのチケットを買ってSバーンに乗車。

▲ ミュンヘン空港駅から中央駅方面のSバーン

空港と中央駅を結ぶドイツ鉄道のSバーンは、西回りのS1系統と東周りのS8の2系統があり、所要時間はほぼ同じ。4月末のミュンヘン郊外の車窓には、菜の花畑の黄色い絨毯が広がります。

▲ ミュンヘン郊外の菜の花畑 Sバーンの車窓

 

ミュンヘン中央駅前のトラム

ミュンヘンはフランクフルトなどと比べると、空港から中央駅が遠く、Sバーンでものいずれに乗っても45分前後を要します。

▲ ミュンヘン中央駅

駅前では各種のトラムが出迎えてくれます。市内を縦横に走るトラムは低床の連節車。ブレーメン型とよばれる、熊本と同じ顔をした2100番台の3車体3台車の連節車。

▲ 駅前のトラム 熊本と同じブレーメン型

少し角張った車体で2200番台の4車体4台車の連節車。今回の写真にはないけど、流線型で2300番台の5車体3台車の連節車。

▲ こちらは4車体連節車

今回初めて見かけた最新型は、流線型で2800番台の4車体4台車の連節車。いずれも終点のループ線で方向転換する、片運転台で片側扉。

▲ 新しい4車体連節車

 

ミュンヘン中央駅からREに乗車

券売機でバイエルンチケットを購入。25€で1人追加する毎に6€、最大5人まで一緒に旅行ができ、人数が増えるとどんどん割安に。この日は2人で使うので、31€で9時以後はほとんどの州内の鉄道に乗り放題。空港から中央駅までのSバーンが1人11.5€、2人で23€も払ったので、バイエルンチケットの安さが際だちます。

▲ ミュンヘン中央駅のICE3と振り子式のICE-T

頭端式のホームには、ドイツ鉄道の看板列車ICEやオーストリア連邦鉄道から乗り入れるレイルジェットが入線。これから向かうニュルンベルクは、相方は初めてだけど私は2度目。4年前の前回は、ドイツ鉄道乗り放題のジャーマンレイルパスを買ったので、ミュンヘンからICEでニュルンベルクに直行して1泊したけど、今回のバイエルンチケットは青春18切符のようにICEやIC、EC、レイルジェットなどの優等列車には乗れません。

▲ オーストリアから乗り入れのレイルジェット

この日乗るのは、チケットの通用開始時刻になった9時01分発、こちらの電気機関車とプッシュプルの二階建て客車、インゴルシュタット行き快速RE。終点でREに乗り継ぎます。

▲ 乗車するのはインゴルシュタット行きの快速RE

 


インゴルシュタット乗り継ぎでニュルンベルク

ミュンヘンを発車した車窓にエンジとクリームの流線型の機関車。1960年代から国際列車TEEを牽引して在来線を200km/hで走行した西ドイツの名機、オリジナル塗装の103型電気機関車。動態保存機でしょうか。

▲ 103型電気機関車を見つけた

ミュンヘンから50分ほどで終点のインゴルシュタットに到着。ここはアウディーが本社を構える街。ホーム横の留置線には、出荷するアウディーのクルマを積載した車運車が停車中。過去には日本の国鉄でも車運車が運行されていたことがあるけど、アウディーを乗せる車運車は、何とホイルベースの長い2軸貨車。

▲ 2軸の車運車に乗るアウディーのクルマ 

インゴルシュタットで接続しているニュルンベルク方面のREに乗り換え。この列車も電気機関車と客車のプッシュプルながら、IC用の客車を格下げして赤く塗り替えたらしい。

▲ インゴルシュタットでREを乗り継ぎ

REとはいえ、車内はリクライニングシートでICそのもの。塗色以外の違いは、停車駅と食堂車を連結していない点でしょうか。

▲ 車内設備はIC(インターシティー)そのもの

ミュンヘンからノンストップのICEで1時間と少々のところを、乗り継ぎ時間13分を含め1時間と50分近くをかけてニュルンベルクに到着。向こうに寝台車らしき客車を見つけた。

▲ ニュルンベルクの側線に寝台車

 


ニュルンベルク旧市街

ミュンヘンに次ぐ、バイエルン州第二の都市ニュルンベルクは、1835年に蒸気機関車“アドラー号”がニュルンベルクとフュルトとの間7.5kmを走った、ドイツの鉄道発祥の地。

前回に訪問した、ニュルンベルク交通博物館(DB博物館)は、こちらから。ニュルンベルクのトラムや地下鉄Uバーン、前回の旧市街散策は、こちらから

▲ ケーニヒ門の見張り塔

ニュルンベルク中央駅の北側に、城壁が取り囲むニュルンベルク旧市街が広がります。丸い見張り塔のフラウエントーア塔があるケーニヒ門から旧市街へ。

▲ 旧市街を取り囲む城壁

見張り塔の横には城壁に沿って職人広場があり、昔の職人の家を再現した木組みの建物が並んでいます。

▲ 職人広場の木組みの建物

ケーニヒ門から歩行者天国のケーニヒ通りを北西へ。第二次世界大戦で大半が破壊された旧市街は、戦後に昔のままの中世の街並みに復旧されたのだとか。

▲ 中世の建物が復元されホテルに

天を突く2本の尖塔は、13世紀後半から200年をかけて建てられたゴシック様式の聖ローレンツ教会。これも、壁だけ残った状態から戦後の修復。

▲ 聖ローレンツ教会

▲ 正面の扉

内陣の天蓋からぶら下がるのは、大きな受胎告知のレリーフ。

▲ 受胎告知のレリーフ

残念ながらデジカメでは、ステンドグラスが白飛びして美しい色が出せません。

▲ 聖体安置塔

背中で聖体安置塔の台座を支える、彫刻家アダム・クラフト製作の像。ゴシック後期の巨匠の作品だとか。

▲ アダム・クラフト作の像

聖ローレンツ教会の先で、ケーニヒ通りがムゼウム(博物館)橋でベーグニッツ川を渡るところ。上流側の中州まで突き出た建物は聖霊養老院。絵になる眺めは、ドイツを代表する景色の一つだとか。

▲ ムゼウ橋から見た聖霊養老院

橋を渡った先にある小さな船に大勢が乗った像は、Narrenschiffbrunnen。水は出ていないけど、日本語にすると愚か者の船噴水になるらしい。

▲ 愚か者の船噴水

さらに北に行くと、フラウエン教会が建つ中央広場。市の開催日に当たったようで、露店が並んで賑やか。

▲ 中央広場

正午の鐘を合図に、16世紀の仕掛け時計が動き始めます。正面に座る皇帝の周りを、忠誠を誓う7人の選帝侯が順に現れて回っていく様子をしばし見物。

▲ フラウエン教会の仕掛け時計

▲ フラウエン教会の祭壇

広場の角に立つシェナー・ブルネン、美しの泉。ガイドブックによると鉄柵にはめ込まれた小さな金色のリングを3回回すと願い事が叶うのだとか。何処に付いているのか探したら、けっこう高い位置に。

▲ 美しの泉

広場から、旧市庁舎と市立博物館の間の上り坂の道をさらに北へ。

▲ 壁面に日時計のある市立博物館フェンボーハウス