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ミュンヘン春のビール祭りフューリングフェスト

続いてドイツ博物館交通分館に向かうため、マリエン広場からUバーンに乗車。4駅目のシュヴァンターラーヘーエで下車するつもりが3駅目、中央駅の次でのテレージエンヴィーゼを発車した電車がトンネル内ですぐに停車。どうやらこの駅止まりの電車だったようで、撮った写真をあとで確認すると方向幕はテレージエンヴィーゼ。

折り返し線に入ったらしく、車外に出て編成の前から後ろの乗務員室へ移動する運転士が、窓の外から車内に取り残された我々を見つけ、5分後に発車するからそのまま待つようにと声を掛けてきます。終点で車内に乗客が残っていないか、確認するなんて日本だけですかね。

▲ 途中駅折り返しのUバーンだった

ホームに戻った電車から降りたとき、向かいのホームの電車から大勢の乗客が下車して出口へ向かうので、何かあるのかと思い後からついていくと、地上に出たところはミュンヘンのビール祭り、オクトーバーフェストが開催される広い公園。

▲ 春のビール祭りフリューリングフェストの会場

前回、9月のシルバーウイークにミュンヘンに来たときは、オクトーバーフェストが始まったばかりでホテル代が異常に高く、やむなくアウクスブルクに泊まった後、帰国前に会場に立ち寄ってみたことがあるけど、この日は4月末の土曜日。調べてみると、フリューリングフェストの名前で、春にも同じ場所でビール祭りを開催するらしい。

▲ 仮設のビヤホール前にバイエルンの民族衣装を着た人々

オクトーバーフェストに比べれば出店の規模は小さいものの、会場の公園内には大きなテントを張ってビヤホールが設置され、1Lの大ジョッキを傾ける客で熱気にあふれています。

▲ にぎわうビヤホールのテント

オクトーバーフェストの時と同様に、バイエルンの民族衣装を着た人も見かけ、仮設の遊園地も賑わっています。

▲ 仮設の遊園地

売店も数多く出ているけど、ビールはビヤホールで飲むものなのか、置いている店が見つからない。

▲ 仮設の店舗も

偶然見つけたビール祭りだけど、残念ながら昼間からゆっくり飲んでいる時間的な余裕がないので、焼きソーセージのサンドイッチを買っただけでUバーンの駅へ。

▲ 焼きソーセージパン

 


ドイツ博物館交通センター分館

次が、ドイツ博物館交通センター分館の下車駅シュヴァンターラーヘーエ。

ドイツ博物館交通センター分館については、こちらで詳しく紹介しているので、ここではざっとご覧いただきます。

▲ ドイツ博物館交通分館

鉄道車両から自動車、自転車からベビーカーまで、陸上を走る乗り物なら何でもそろっています。

▲ 蒸気機関車とICEにバス

▲ ベルリンのSバーン

▲ 脱線したミュンヘンのトラムを吊り上げるクレーン車の展示

▲ 世界最急勾配 スイスのピラトゥス鉄道の蒸機動車

▲ クラシックカー

▲ 各種ドイツ車やバイク

▲ 電気自動車と蒸気機関車が同居

▲ 各種自転車も

 


ミュンヘンから国際列車でイタリアへ

Uバーンで中央駅に戻り、駅前のホテルに預けていた荷物をピックアップ。

▲ 中央駅のUバーン

イタリアのボルツァーノに向かうため、ミュンヘン中央駅のホームにやってきたのは発車10分前。ドイツ、オーストリア、イタリア3ヶ国縦断、ベローナ行きのユーロシティー(EC)は、始発列車なのにまだ入線していない。チケットはドイツ鉄道のホームページからあらかじめ早割を購入して、メールで受け取ったPDFファイルを持参。

▲ 12番線にベローナ行きECはまだ入線していない

隣のホームに到着していた、オーストリア連邦鉄道の編成。ミュンヘンまで牽引してきた電気機関車を切り離して残し、客車を最後部に連結した別の機関車が牽引して、回送で出ていきます。

入れ替わりに、昔の上野駅への回送列車のように客車を先頭にした推進運転で、ベローナ行きのEC83が発車時刻を10分ほど過ぎてからやっと入線。機関車も客車もオーストリア連邦鉄道ÖBBの所属。

▲ 到着列車が引き上げるのと同時に推進運転でベローナ行きEC83が入線

ドイツやオーストリアは座席指定は任意だけど、イタリアは必須なので追加料金で指定していて、チケットに表示された257号車へ。列車番号と行先、号車番号を窓に貼ったドアのボタンを押しても開かない。前後の車両のドアも開かないようで乗客が滞留していたところ、車掌が来て向こうの車両から乗ってくれ。

▲ デッキのドアに行き先と列車番号を表示

何両か後ろのドアの開く車両から乗って、込み合う車内の通路を移動していたら、結局30分遅れの発車。あとで車掌が窓上に座席指定区間をプリントした紙を差し込みに来たので、列車の準備が遅れてバタバタの状態だったらしい。ドイツの車両は各座席の指定区間をLEDで表示しているけど、オーストリア車はまだ手作業。

▲ オープンタイプの2等車 窓上に座席ごとに指定区間を印字した紙を挿入

ドイツ鉄道DBのホームページ内のこの日のこの列車のページでは、各停車駅の所定の時刻に加え、遅延している実際の運行時刻と、この先、回復運転で遅延を取り戻す見込みで到着推定時刻を赤字で表示している。

▲ 国境駅のクフシュテイン

ECがインスブルクに向かう路線は前日に乗ったローカル線とは違い、途中までザルツブルクに向かう幹線と線路を共用し、東に大きく迂回するコース。ドイツから国境を越え、オーストリア入国したところにある停車駅のクフシュテイン。発車したのは定刻から30分遅延したまま。

▲ 丘の上の建物はクフシュテイン要塞

イエンバッハでは、ホームの向こうにナローの750mmゲージの赤い私鉄車両。

▲ 狭軌路線と接続するイエンバッハ

ミュンヘンから1時間40分余り、待機する赤いÖBBの機関車の横を抜けると、この列車の沿線の主要都市インスブルクに到着。ここで下車する乗客が多い。

▲ インスブルクに到着

停車時間は6分とってあるけど、急ぐ様子もなく定刻から30分遅れたままで発車すると南へ、イタリアに向かう線に分岐して、インスブルク冬季オリンピックジャンプ台の近くを通過。

▲ インスブルクオリンピックのジャンプ台

このあたりで、夕食にと思っている食堂車の混雑状況の確認も兼ねて車内の探検に。まずは前方へ、先頭が253号車で途中に欠番があり最後尾が265号車。

2等車は、車窓が見やすいオープンタイプの4人のボックス席が主体の車両を選んだけど、6人部屋のコンパートメント車も連結していて、いずれもインスブルクから先の車内は空席が目立ちます。

▲ コンパートメントの2等車

▲ オープンタイプの2等車

オープンタイプの2等車の車端部には、自転車を固定するコーナーも設置。

▲ 車端部に自転車置き場

先頭客車の連結面の扉の窓から見える牽引機は、ÖBBのタウルス型電気機関車。以前は国境駅で機関車を交換することが多かったけど、今では各国の電源や保安装置に対応した機関車で、通しでけん引する例が増えてきた。

▲ 牽引機はÖBBのタウルス型

編成の最前部まで行ったので、引き返して後方へ。前方に2等車、後方に1等車の編成で、その間に食堂車があるはずなのに、今日は連結していない。何かトラブルでもあって、ミュンヘン中央駅への入線が遅れたのでしょうか。

▲ オープンタイプの1等車

2両の1等車のうち1両は、通路をはさんで2+1人がけ座席配置のオープンタイプの客室と、乗客の自転車を積んでいる荷物室の合造車。コンパートメントと同様に、荷物室の横に通路があり、後ろの車両に通り抜けができる構造。

▲ 1等と荷物合造車の荷物室

最後尾はコンパートメントの1等車。1室4人のビジネスクラス4室と6人の1等室が5室。1等も2等もコンパートメントは6人部屋だけど、2等は11室あるので部屋の広さとシートピッチの違い。

▲ ビジネスクラスは4人のコンパートメント

▲ 1等は6人部屋

1等車の最後部デッキの貫通路は両開きの引き戸。列車は雪が残るオーストリアの山々を背に、右に左にカーブを繰り返しオーストリアとイタリアを隔てる峠に向けて高度を上げていきます。最近のヨーロッパの客車列車は機関車によるプッシュプルが増え、最後尾の客車が運転室付きだったり、後ろから機関車が押している場合も多いけど、後部デッキの窓から去り行くレールを眺められるのは旧来の客車編成ならでは。

▲ 列車の後部デッキから雪が残るオーストリアの山々

イタリアからオーストリアに向かう、コンテナを満載した貨物列車とすれ違い。ドイツやオーストリアの鉄道は右側通行。イタリアに入ると、列車は左側通行に切り替わります。

▲ 貨物列車とすれ違い

インスブルクから30分余り、ミュンヘンを出てから2時間半ほどで、オーストリアとイタリアの国境駅に到着。駅名のブレンネロはイタリア語、ブレンネルはドイツ語。ここから先のイタリア北部はしばらく、この2つの言語ともが公用語の世界です。

▲ オーストリアとイタリアの国境駅のブレンネロ/ブレンネル

 


旅のヒント

ドイツ鉄道では、ICEやIC、ECなどの高速列車を除く、快速REやローカル列車RB、都市の電車Sバーンなどに1日有効な、JRの青春18切符のような Quer-durchs-Land-Ticket があり、通年発売されていて券売機でも購入できます。幹線には快速列車REが運行していて、高速新線のない路線では、ICEと所要時間は大きくは変わりません。

1人44€で青春18切符より高いものの、同行者が1人増えるごとに6€追加、最大5名までなので、人数がまとまると割安になる切符です。平日は有効時間が午前9時から翌日の午前3時までのため、早朝の出発には向きません。土日は終日有効です。

通用範囲を州内の交通機関に限定して、割安な Länder-Ticket もあります。今回の旅行では、1日目と2日目はバイエルン州内の移動だったため、バイエルンチケットを購入しました。上記のドイツ鉄道全線に有効なチケットとの違いとして、州内のドイツ鉄道に加えて地下鉄やトラム、バス等の都市交通にも有効で、利用範囲が広く使い勝手の良い切符です。

高速列車による長距離移動にはジャーマンレールパスも良いですが、今回のミュンヘンからイタリアのボルツァーノは3ヶ国にまたがり、乗る列車もあらかじめ決めていたので、事前にDBのホームページから早割を購入しました。

2018年4-5月旅
2020年11月記


お役に立つリンク集

これからお出かけになる方や鉄道ファンの方に役立ちそうなリンクをそろえました


 

 

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