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ボローニャ旧市街散策

ヴェローナから快速RVで1時間半、ボローニャ中央駅に到着。ボローニャは放射状に6方面から8路線が集まる鉄道の要所。北のヴェローナからの幹線で着いたけど、北西のミラノ方面からは在来幹線と高速新線、北東のパドヴァ方面から幹線、南のフィレンツェ方面から在来幹線と高速新線、南東のリミニ方面からの幹線に加え、南西のピストリア方面のローカル線の列車が発着しています。

▲ E402型の牽くインターシティー

写真の列車は乗ってきた快速RVではなく、向かいのホームにいたインターシティー。一瞬、ドイツから乗り入れ? と思ったけど、イタリア鉄道のインターシティーの客車もいつの間にか、緑色からドイツ鉄道に似た白に赤帯の塗色に。よく見ると、ドアを赤く塗っているところが違います 。

旧市街の散策を2時間半程度と見積もり、先に駅構内のNTV社の窓口でフィレンツェまでのイタロの切符を購入してから、荷物を預けて街中へ。駅のすぐ東側、バスターミナルとの間の広場に建つガッリエラ門。昔は街を囲む城壁があって、それをくぐる門だったらしい。

▲ ガッリエラ門

ガッリエラ門を背に、ガッリエラ通りを真っ直ぐ南へ、旧市街の中心にある広場を目指します。

両側の歩道は、通りに面した建物の1階部分がポルティコとよばれる屋根のあるアーケード。北西イタリアのトリノも有名だけど、どの通りにも延々と続くボローニャのポルティコは、総延長世界一で世界遺産なのだとか。

▲ 通りの歩道は屋根のあるアーケードのポルティコ

小さな教会の正面や側面にもポルティコが。

ボローニャには、2004年にミラノから列車でフィレンツェに向かう途中に立ち寄るつもりで、2時間の散策時間をとって乗り継ぎの切符を用意していたのだけれど、ミラノ中央駅でユーロスターイタリア(現在は色を赤に塗り替えてフレッチャロッサ)に乗り遅れるという失態。前日にコモに行ったときには、始発のインターシティーが15分の延発だったのに、看板列車のユーロスターイタリアは別格なのか、わずかの時間差で置いて行かれてしまい、次は1時間後。

▲ ピオッジア広場のサンタ・マリア教会

ボローニャからフィレンツェへは、ヴェネツィアから来るインターシティーの切符を押さえていたけど、ボーローニャの乗り継ぎが1時間になってしまっては旧市街の見学は無理と判断。ミラノ中央駅の窓口で、次のユーロスターイタリアで途中下車せずに、ミラノからそのままフィレンツェへの変更を申し出たところ、お互いの意思疎通ができず、切符を変更するまでが大変でした。あれから14年ぶりのリベンジ。今では、イタリア鉄道主要駅では英語が通じるようになってきています。

ガッリエラ通りをさらに南へ、ヴェネツィア風の窓のある建物にもポルティコ。

▲ ヴェネツィア風の建物にもポルティコが

横断歩道に、路面電車の線路のようなものを発見。ネットで調べてみると、ボローニャのトラムは1880年に馬車軌道として建設が始まり、1904年に電化。市の中心部から各方面へ、放射状に延びる路線を運行していたらしい。日本より一足早く1953年から路線の廃止が始まり、1963年に全廃されてから60年。LRTとして復活を目指し、2022年に路線の建設を開始、2026年の開業を計画しているのだとか。

▲ トラムの線路が残っている?

 

ボローナの中心マッジョーレ広場

駅から20分と少々で、マッジョーレ広場に到着。ここは、ローマ帝国の時代から政治や商業、市民生活の中心であった広場、フォロだった場所で、今は中世とルネッサンス時代の建物で取り囲まれたボローニャの中心。

▲ マッジョーレ広場

広場の北側に建つ塔のある2階建ては、ポデスタ館。正面はルネッサンス時代の柱廊。

▲ ポデスタ館

広場の西側、時計塔のある建物はボローニャ市庁舎。

▲ 市庁舎

ポデスタ館と市庁舎の間には、16世紀のネプチューンの噴水。

▲ ネプチューンの噴水

広場の南側には、サン・ペトロニオ聖堂。14世紀から17世紀の建設だけど、正面の大理石は下半分だけで、外装は未完成のまま。

▲ サン・ペトロニオ聖堂

正面入口上の彫像は15世紀中頃、ルネッサンス期の傑作の一つなのだとか。

▲ 聖母子の左に聖ペテロニオ 右に聖アンンブージョ

▲ サン・ペトロニオ聖堂内部

▲ 側廊の礼拝堂

マッジョーレ広場の東、ポルタ・ラヴェーニャ広場に面して建つ、高さ97mと48mのアシネッリの塔とガリセンダの塔。ピサの斜塔より古い12世紀の建築で、2本とも傾いているので別名ボローニャの斜塔とよばれ、高い方は内部にある500段の階段で上れるだとか。

▲ ボローニャの斜塔

ボローニャ大学は、パリ大学やサラマンカ大学と並んで12〜13世紀に設立されたヨーロッパ最古の総合大学の一つで、今でもイタリアで2番目の規模を誇る学生の街。この斜塔の先までは行かなかったけど、ボローニャ大学のキャンパスがあるらしい。

中央駅への帰り道は、ガッリエラ通りの1本東、インディペンデンツァ通りを真っ直ぐ北へ。通りに面した巨大なファザードを持つ、大司教座聖堂にちょっと立ち寄り。

▲ 大司教座聖堂

▲ 大司教座聖堂の内部

▲ 高い天井にはフレスコ画


ボローニャからイタロでフィレンツェへ

中央駅横のガッリエラ門まで戻ってきました。門の裏側はこんな感じ

▲ 裏から見たガッレリア門

ボローニャ中央駅は、路線の規模に対して簡素な駅舎。

▲ ボローニャ中央駅

在来線と高速新線で線路幅が異なる日本や台湾、スペイン等を除けば、大きな駅では高速新線の列車も在来線と同じホームに発着するのが一般的だけど、ボローニャでは各方面の在来線は地上のホームから、ミラノやローマ方面の高速新線は地下を通っていて、在来線から高速新線に直通する列車も含め地下ホームから乗降することに。

▲ ボローニャ中央駅地上ホーム在来線のローカル列車

フィレンツェまでのイタロの切符は下車時に購入済。荷物をピックアップして乗り換え通路を高速新線の地下ホーム、16-19番線に向かいます。

▲ 乗り換え通路

高速新線のホームは2面4線の通過式。隣のホームからイタリア鉄道の最新型ETR400、フレッチャロッサ1000を2編成併結したミラノ方面の列車が発車していきます。

▲ フレッチャロッサ1000の連結面

▲ フレッチャロッサ1000

駅の発車案内は、時刻順に上りと下りの列車を併記。フレッチャ・アルジェントの発車後に入線するイタロに乗車予定。

▲ 発車案内は上下両方向の列車を併記

先に、ローマ・テルミニ行きの振り子式高速列車、ETR600型のフレッチャ・アルジェントが入線。

▲ 先行するフレッチャアルジェント

続いて、サレルノ行きのETR575型イタロが入線。ETR575型イタロはアルストーム製で、TGVと異なり動力分散式の電車タイプの連接車11両編成。

▲ イタロが入線

編成は1号車から、特等相当でスナックとドリンクサービス付きのクラブ、1等相当の2+1の座席配置でスナックとドリンク付きのプリマ、同じ座席でスナックとドリンクなしのエクストラ・ラージ、2等相当で2+2の座席配置のスマートがあり、いずれも座席は回転しません。

▲ エコノミークラスの“スマート”

前回、2004年のボローニャからフィレンツェへは、高速新線がまだできていなかったので、イタリアンユーロスターはカーブの続く在来線経由で1時間を要していました。この間、高速新線で所要時間は40分弱になったけど、ほとんどがトンネルで暗闇の車窓。ETR575型の最高速度は300km/hだけど、5分先行しているフレッチャアルジェントは250km/h。並行ダイヤを組んでいるのか、イタロも250km/hどまり。

▲ トンネルの中を250km/hで疾走中

到着前に最後尾の11号車を覗いてみたら、天井からモニターのぶら下がるスマート・シネマでした。

▲ 天井にテレビモニターがある“スマートシネマ”

 

フィレンツェに到着

櫛形に、頭端式ホームの並ぶフィレンツェ・サンタ・マリア・ノベラ駅に到着。

▲ フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェラ駅に到着

フィレンツェは2004年以来14年ぶり。この間、2011年にサンタ・マリア・ノベラ駅の西側から郊外へ、観光客とは無縁のルートにトラムT1号線が開通していて、訪問した2018年5月段階で、駅前での折り返し線とT1号線からすぐに分岐して空港に向かうT2号線、T1号線の延長のようなかたちで駅前を東側まで回り込み、北東に向かうT3号線の工事が進行中。

▲ 駅前ではトラム路線の延伸工事中

T3号線工事の駅の東側に線路は出来上がっていて、アンサルド・ブレダ製の丸い顔の低床連節車が停車中。よく見ると車体に鰭を付けていて、建築限界の確認でも行っているのでしょうか。

▲ 建築限界測定車になっているのでしょうか

ホテルは駅のすぐ横。入口がわかりにくい、築数百年の古い建物の最上階のフロアの一部。ここに2泊することに。

▲ 駅横のホテルはこんなビルの最上階の一部

螺旋階段の真ん中に、後付けしたらしいクラシックなエレベータは、荷物があれば2人で満員の小さな木製の箱に手動扉。

▲ 木製のエレベータ

夕食は、ホテル近くのレストランへ。

▲ ホテル近くのレストラン

店主お薦めのステーキは、なかなかの美味。

▲ 店のお勧めはステーキだった