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昼食のマクドナルドでのんびりしていたら時間が無くなり、急いでピサ・サン・ロッソーレ駅へ。道路から入る駅の地下道で、同じ列車で帰宅するピサ大学の学生に券売機の場所を聞いてみたけど、知らないとの返事。ホームに上がっても、それらしきものは無し。
西海岸沿いの幹線とルッカに向かうローカル線がY字型に分かれる三角地帯の向こうに駅舎らしき建物があり、その前に券売機を見つけて急いで駆け付けたときには、もうラスペツィア行きのローカル列車が入線してきます。発券した4枚分を改札機で刻印して、地下道に回っていると間に合わないと思い、停車している機関車の直前の線路を横断。ヨーロッパはホームが低いからこんなことができるけど、日本で乗客が線路内に立ち入ったら列車が停まりますね。
▲ ラスペツィア行きローカル列車の車内
1本逃せは次の列車は1時間後のところ、何とかギリギリ間に合って無事に乗車。機関士は線路横断を見ていただろうけど、何事もなく発車。1時間余りでイタリア海軍の基地のある、終点ラスペツィアに到着。乗り継いだローカル列車の客車は、台車間がノンステップの低いホームから乗りやすい部分低床車。次の駅、リオマッジョーレで下車。
▲ リオマッジョーレに到着
リグーリア海に面し、背後から山が迫り、2つのトンネルに挟まれたわずかな空間に設けられたリオマッジョーレ駅。ホームは有効長を確保するため、前後のトンネルの中まで続いています。こんな狭いホームで、目の前を高速で列車が通過したら怖いでしょうね。
▲ ホームはトンネルの中まで続く
ラスペツィア寄りの、複線の鉄道トンネルの端の一部を区切って設けた歩行者トンネルを抜け、リオマッジョーレの村へ。ラ・スペツィア市の北西側に位置するリグリア海に面したリオマッジョーレ、マナローラ、コルニリア、ヴェルナッツァ、モンテロッソ・アル・マーレの5つの集落がチンクエ・テッレで、それぞれに駅があります。今でも村に大型車が通行できる道路は無く、鉄道開通前は陸の孤島で船が交通手段でした。
▲ 鉄道トンネルに間借りした歩行者トンネル
2012年にジェノバからローマに向かう途中にラスペツィアで1泊し、コルニリアを除く4つの村に、鉄道のない半島の先に位置するポルトベネーレを加えて巡った際、最後に訪れたリオマッジョーレでは短い秋の日が暮れてしまい、暗闇の中で世界の絶景の海岸へ降りる階段がわからず、夜の村内を徘徊しただけでラスペツィアに戻るという失態。今回の出直しで、やっとこの風景に出会うことができました。
▲ 死ぬまでに一度は見たい世界の絶景リオマッジョーレ
リオマッジョーレから隣村のマナローラまで、海岸沿いの遊歩道の愛の小道は、2012年の訪問時にがけ崩れで通行止めになっていたけど、やる気がないのか6年たっても復旧していないようで、この間の移動は船に乗ることに。
先にやってきたのは半島の先、鉄道のないポルトベネーレに向かう船。前回は晩秋で、その年の船の運航が終了していたため、ラスペツィアから路線バスで向かったけれど、船でショートカットできれば便利なコース。
▲ 先にポルト・ベネーレ行きの船が来た
続いて、ポルトベネーレから来たモンテロッソ・アル・マーレ行きの船が到着。リオマッジョーレには防波堤に囲まれた港がなく、こんな直接外洋に面した狭いところに着けるので、荒天の場合は乗降が困難になるのでは。
▲ モンテロッソ行きの船に乗船
乗船すると階段を上がって眺めの良い二階席へ。
▲ 眺めの良い二階席へ
海から見たリーマッジョーレ。船が着くのは右下の岩場。
▲ 海から見たリーマッジョーレ
リオマッジョーレが遠ざかると、鉄道の開通までは陸の孤島だった険しい地形がよくわかります。
▲ リオマッジョーレが遠ざかる
すぐ先に、波打ち際の上にあるマナローナ駅が見えています。マナローナの村はトンネルを抜けた左側。
▲ マナローナ駅(右)とマナローナの村(左)
マナローナには、短いけど石積みの防波堤のようなものがあり、船はその内側の崖下に着岸。階段を上って村内へ。
▲ マナローナ
狭い山肌に張り付いて、家が立ち並ぶマナローナの村。もちろん、クルマは入ってこれません。歩行者専用の細くて長いトンネルをくぐってマナローナ駅へ。
▲ マナローナの街中
この先にも魅力的な村が続くけど、私は前回訪問しているので、マナローナから列車でフィレンツェに戻ることに。
前回のマナローナ駅は、夕方になって駅のバールが閉店すると切符を買うところがなく、やむなく隣のリオマッジョーレまでタダ乗りしてしまったけれど、今回は通路に新しい券売機が置かれていて、フィレンツェSMNまでの切符が買えました。先に入線してきたのは、ジェノバ方面行のローカル列車。
▲ マナローナ駅のローカル列車 村は背後の岩山のトンネルを抜けた向こう側
車体が連接構造のE665型電気機関車が、タンク車を連ねた貨物列車を牽引して目の前を通過。なかなかの迫力です。
▲ トンネルから貨物列車
続いて二階建て客車を先頭にした、プッシュプル編成のラスペツィア行きローカル列車が入線。
▲ 二階建てのローカル列車に乗車
ラスペツィアで乗り継いだピサ中央行きのローカル列車は、ALe.642型電車。
▲ ラスペツィアで電車に乗り換え
ちょっと古い電車でも、車内は客車と同じボックスシートが並び、乗り心地は良好。
▲ 電車の車内も客車とほぼ同じ
帰りも、1時間と10分ほどでピサ中央駅に到着。
▲ ピサ中央駅に到着
ホームの向かい側には、ピサ・サン・ロッソーレ駅で分岐してルッカに向かうローカル線のディーゼルカー。新型で部分低床の連接車。
▲ ピサとルッカを結ぶローカル線のディーゼルカー
ALe.642型電車は、ミヌエットなどの新しい部分低床タイプの連接車の増備により数を減らしている旧型車。
▲ ローカル運用のALe.642型電車
最終ランナーのフィレンツェSMN行きのローカル列車は、南のピオンビーノからやって来る二階建て客車のプッシュプル。
▲ フィレンツェSMN行きの二階建て列車
ピサ中央駅から1時間、フィレンツェSMN駅に戻ってきました。この日は、一般的なプッシュプルの客車列車の他、部分低床や二階建ての客車、旧型電車など、イタリア鉄道のいろんなローカル列車に乗れて面白かった。
▲ フィレンツェSMN駅に到着
頭端式のホームに発着する高速列車を見ていきます。両端に機関車を配置した動力集中式、ERT500型フレッチャロッサ。
▲ イタリア鉄道のフレッチャロッサ
動力分散式で連接構造の電車のntv社のイタロ。
▲ ntv社のイタロ
動力分散式で振り子式電車のフレッチャアルジェント。
▲ イタリア鉄道のフレッチャアルジェント
フィレンツェSMN横のホテルに戻ってしばし休憩後、夕食は近くの中央市場へ。
▲ 中央市場
2階がフードコートになっていて、いろんな料理を少しずつ買ってきて楽しめます。
▲ 夕食は中央市場2階のフードコートで
イタリア7日目はフィレンツェを散策後、事前に早割を購入していた夕刻のフレッチャロッサ1000に乗ってローマに向かう予定。フィレンツェは14年ぶりの3回目。主なところは過去2回の訪問時に訪れているので、初フィレンツェの同行者を夕刻まで案内するつもり。
ホテルのフロントが24時間営業ではないので、荷物を預けて列車の発車時刻前にピックアップできないことを懸念して、チェックアウト後フィレンツェSMN駅構内の荷物預かりに持ち込むことに。
▲ フィレンツェSMN駅
荷物預かりの窓口は、駅舎の東側の壁に沿った先の方にあり、大きな看板が出ていてわかりやすい。入り口に貼った青い紙に、イタリア語と英語で営業時間は午前6時から午後11時、6時間まで6€、以後12時間まで1時間毎に1€、それ以後は1時間に0.5€と書いています。イタリア人なのによく働きますね、というか交代制でしょうね。
▲ 駅の荷物預かり
9時前に預けて5時前にピックアップすると8時間で8€。なかなかいい値段だけど、商売熱心な店員が勧めるのはエクスプレスサービス。何時まで預けても12€で、ピックアップ時に混雑していても優先してすぐに引き渡してくれるとのこと。発車時刻が迫る中でイライラしながら待たなくてもいいのならと誘いに乗って12€も払ってしまったけど、ピックアップしに行った時に他に客は誰もいなくて失敗したな。
▲ ここで預ける
前回の訪問時には、まだ計画段階だったフィレンツェのトラム。フィレンツェSMN駅の西側から、観光客には全く縁のない西の方角へ、郊外のヴィラ・コスタンツァに向かうT1系統の路線が2010年に開通。19世紀後半に開業した市内の路面電車が1958年に廃止されたフィレンツェにとっては、52年ぶりの復活ともいえるでしょう。
▲ フィレンツェSMN駅横のトラム
車両は、ミラノやナポリでも見かける丸い顔をしたアンサルドブレーダ(現在は日立レール)製の低床連節車、シリオの5車体3台車の両運転台両側ドアタイプ。
▲ ポイントを渡ってトラムが到着
2018年の訪問時段階では工事中であった、フィレンツェSMN駅前から市の北西にある空港に向かうT2は2019年に、同じく市の北東に向かうT3としていた路線は、2018年に既存のT1の延長とみなして、そのまま直通するかたちで開通したようです。
▲ バックは駅舎 塔はサンタ・マリア・ノヴェラ教会
世界遺産のフィレンツェ歴史地区に向かう途中、中央市場に立ち寄り。前夜に2階のフードコートに来たときには、既に営業を終了していた1階の市場は、朝から賑わっています。
▲ 中央市場の魚屋
▲ 中央市場の八百屋
▲ 中央市場の肉屋