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ソーイェル鉄道は運休中だけど、ソーイェルの街と港のある海岸ポルト・デ・ソーイェル間5km弱を、20分ほどで結ぶソーイェルトラムは通常通り運行中。冬はオフシーズンのため、ソーイェル発が毎時00分、ポルト・デ・ソーイェル発が毎時30分の1時間間隔。
▲ ソーイェルトラムの電停 路上にポイント転換器
トラムがソーイェルに戻ってくる時間が近づいてきたので、車庫の見学を切り上げて始発の駅前の次、メルカート(市場前)の電停に向かいます。ここには路上に交換設備があるけど、駅前から300m程度の距離なので使う機会はほとんど無いのでは。歩道に手動のポイント切り替え器。施錠してあるのでしょうね。
▲ この先は専用軌道に
メルカートの先は専用軌道になっていて、向こうからトラムが現れカーブを曲がって併用軌道に入り電停で停車。
▲ ソーイェル行きのトラムが現れた
ここで降車を取り扱ったあと、ゆっくりと終点ソーイェル駅前に向かうトラムを追いかけます。
▲ 併用軌道をソーイェル駅に向かう後ろ姿
トラムは終点での機回り作業を省くためか、ソーイェル側に21号、ポルト・デ・ソーイェル側に22号の2両の2軸電動車を配し、その間にボギーの付随車をはさんだ3両編成。
▲ ソーイェル駅前に到着
発車時間が近づいてくると、乗客が集まってきます。先頭になる22号に乗車。相棒の21号とともに、先ほど車庫で出会った23号と同様に、20号と同じリスボンから購入した中古車の半鋼製車体を木造車体に更新したもの。
▲ ソーイェル駅を背に発車待ち
運転席にはイングリッシュエレクトロニックの直接制御器とブレーキハンドル。エアブレーキも装備しています。
▲ 22号の運転席
車内は転換式のクロスシートで、出入り口付近のみロングシート。天井には次停車を合図する紐が通っています。
▲ 22号の車内
ソーイェルトラムに乗ってポルト・デ・ソーイェルへ
発車すると、狭い下り坂をゆっくりと降りていきます。制御器を逆に回すと電気ブレーキになるらしい。
▲ ソーイェルの狭い併用軌道をいく
専用軌道にはいると少しスピードが上がり、車掌さんが切符を売りにまわります。1人片道7€(約900円)、2人で乗れば、タクシーの方が安い観光客料金。途中の停留所で1人、地元の客が乗ってきたけど、割引運賃でもあるのでしょうか。
▲ 専用軌道には踏切もある
中央分離帯のある幹線道路を横断すると、道路の端の専用軌道を走ります。高知の土佐電交通や、かつての名鉄美濃町線のようだけど、道路も線路もソーイェルの方が立派。途中に何ヶ所か列車交換が可能な停留所があり、30分間隔の運行になる繁忙期のダイヤでは、この内の1ヶ所で交換が行われるようです。
▲ 道路わきの専用軌道を行く
検札を終えた車掌が運転士の所に来て、この先終点まで二人のおしゃべりが止まりません。運転士さん、話に夢中になってノッチを入れたままコントローラとブレーキ弁から手を放すのはやめて欲しい。
▲ 検札を終えた車掌さんとのおしゃべりに花が咲く
やがて前方に海が見えてきて、湾に沿って湾曲した海岸通りの併用軌道に入ります。
▲ 湾岸の通りに出た 沖には漁船
波打ち際や砂浜と、建ちならぶホテルやカフェ、レストランにはさまれた通りは、クルマを通さないトランジットモールになっているらしい。
▲ ポルト・デ・ソーイェルの海岸通りの併用軌道
ポルト・デ・ソーイェル
ソーイェルから20分ほどで、トラムは終点のポルト・デ・ソーイェルに到着。
▲ ポルト・デ・ソーイェルに到着
▲ 22号の側面
▲ 中間のボギー付随車
立派な駅舎があるけど、外に面した出札窓口らしき所は閉じられています。繁忙期になると開くのかな。
▲ ポルト・デ・ソーイェルの駅舎
トラムは、今度は21号を先頭にソーイェルに向けて発車していきます。
▲ ソーイェル行きが発車
▲ 海岸通りを行く
▲ ソーイェル行きの後ろ姿
▲ 波打ち際をトラムが行く
1時間後に折り返して来たのも、21号と22号の同じ編成。閑散期は、終日1編成のみが単純に往復するだけの運用です。
ソーイェルからポルト・デ・ソーイェルへ、ソーイェルトラムの様子を動画でご覧ください。
▲ ソーイェルからポルト・デ・ソーイェルへ ソーイエルトラムを動画でご覧ください
ポルト・デ・ソーイェルは、岬に狭まれた奥に湾が広がる天然の良港。湾の入口に立つ灯台。高台にある方からは見晴らしがよさそうだけど、クルマがないと行きづらい距離。
▲ 湾口の灯台
▲ もう一つの灯台
港には数多くのヨットが停泊中。岸から少し離れた沖には、小型漁船の姿も。
▲ ヨットが停泊
海水浴シーズンにはヨーロッパ各国から観光客が押し寄せ、この砂浜も人で埋まるのでしょう。
▲ 電車通りの前の砂浜
この日は1月3日だけど昼間の気温は20℃まで上がり、冷たいと思うけど元気な子供は海に入って水遊び。
▲ 元気な子供は水遊び
バスに乗ってパルマ・デ・マヨルカへ
ポルト・デ・ソーイェルが始発のバスで、パルマ・デ・マヨルカへ戻ろうとしたけど、バス停の場所がわかりません。電車通りのレストランで尋ねると、海岸から山の方に行った所らしい。途中にあったスーパーでレジのお姉さんにもう一度尋ねると、さすがは観光地、英語で2つ目のロータリーにあると教えてくれました。GoogleMapにも、あとでよく確かめると載っていた。
▲ ロータリーの中にあるバス停
211番のバスはトンネルでショートカットして、トラムが20分かかったソーイェルまでわずか5分。バルデモサ等を経由しない直行系統なので、ソーイエル鉄道が1時間以上要するパルマ・デ・マヨルカには40分で到着。何だかあっけない。
夕食は、パルマ・デ・マヨルカの旧市街にあるマヨルカ料理のレストラン。
▲ パルマ・デ・マヨルカ旧市街のマヨルカ料理レストラン
店名のセラーに合わせてか、酒蔵の大きなワインの樽(のカットモデル)が並ぶ店内。
▲ ワインセラーの樽はインテリア
ハウスワインをデカンタで注文。
▲ ツナサラダとデカンタのワイン
メインには、パンの他にオリーブも付いてきます。
▲ イカのフリッタ
ホテルへの帰りは、夜の市内を回り道。
▲ バス通りのイルミネーション
旧市街の路地には、クリスマスの電飾が残っています。
▲ 旧市街の路地
時刻はまだ21時過ぎ。これからがスペイン人の晩ご飯の時間だけど、一般の商店が閉まるのは早いようで。