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ローカル列車はプッシュプルの客車編成

昼食に駅構内のスーパーマーケットでビールとパニーノ(サンドイッチ)を買って、トリエステ始発のヴェネツィア・サンタ・ルチア行きのローカル列車レッジョナーレ(R)に持ち込みます。編成は、最後尾に片運転台の464型電気機関車が付く新型の二階建て客車。先頭は制御車で、固定窓の空調付き。

▲ ローカル列車は電気機関車のプッシュプル

▲ 先頭は制御車の客車編成

低いホームに合わせて、1両に2ヶ所のドアは1階に。台車上の客室と連結面は、階段を上った高床部。反対側の階段で見晴らしの良い2階席に上がります。2等席は4人のボックスシート。棚の上の空間は狭く、大きな荷物を置くスペースもありません。空いているので、隣のボックス席に荷物を押し込んでも、4人のボックス席を占領できます。

ローカル列車Rの二階席

▲ ドアは一階に 台車の上は床が高い一階建て

 

トリエステからヴェネツィアに向かう車窓

列車は定刻に発車。線路の両側の留置線にいろんな車両が並びます。イタリア鉄道の端、トリエステまで来る優等列車は、ミラノ方面からのフレッチャビアンカ(FB)とローマ方面からのインターシティー(IC)だけ。車窓に華やかな高速列車は見かけません。

▲ 制御室付きの客車が並ぶ

▲ 入れ換え用DLの向こうに旧型電車

▲ 事業用のオープンデッキの客車 左は2軸車

▲ ICを牽く402A型電気機関車がいた

 

車窓に広がるアドリア海。ここはトリエステ湾の一番奥に位置します。静かな海面に数多くのブイのようなものが浮いているのは養殖場でしょうか。近くを漁船か養殖作業船のような小船が航行しています。

▲ 養殖場か海面にブイが並んで作業船がいる

▲ 線路は左に曲がり湾の奥へ

列車は高い位置から海を見下ろしながらトリエステ湾の奥へ。ドロミテ山塊でしょうか、車窓のはるか遠くに雪をかぶった峰々が望まれます。

▲ トリエステ湾の一番奥

▲ ドロミテ山塊か遠くに雪をかぶった山

検札に来た車掌さん、一番前まで行くと運転室に入り、扉を開け放したままで運転士とのおしゃべりに熱中。ここはイタリアです。

▲ 車掌さんが運転席へ

レッジョナーレは2時間弱でヴェネツィアの本土側にあるメストレ駅に到着。この間には高速新線がないので、ICとRで所要時間の差はほんの数分、FBとRでも10分と少々で、運賃の高い優等列車を使うメリットはありません。

▲ ヴェネツィア・メストレ駅

ヴェネツィア本島はホテル代が高いことに加え、クルマが入れず荷物を持っての街中の移動が大変ないので、本土側のメストレにホテルを確保。ヴェネツィア・メストレで下車して、まずは駅近くのホテルにチェックイン。


ヴェネツィア・メストレ駅から列車でヴェネツィア本島へ

ヴェネツィアは22年ぶりの2度目。前回は1泊だけで、サンマルコ寺院やドゥカーレ宮殿などお決まりの観光コースだったので、今回は3泊して周辺もゆっくり回ることに。ホテルでしばし休憩後、ヴェネツィア・メストレ駅から列車で海に架かる橋を渡ってヴェネツィア・サンタ・ルチア駅へ行くことに。

入線してきたのは、トリエステからここまで乗ったのと同じ464型電気機関車の牽くプッシュプル二階建て客車のレッジョナーレ。

▲ サンタ・ルチア行きは二階建て客車のプッシュプル

あとで車内の写真を見比べると、荷棚や窓上の配色が微妙に違います。

▲ 荷棚や窓上の配色が先ほどの車両と微妙に異なる

ヴェネツィア・メストレの次、ヴェネツィア・ポルト・マルゲーラ駅を発車すると、列車は海の中へ。本土とヴェネツィア本島をつなぐ全長3.8km余りの複々線の鉄道と道路の併用橋、リベルタ橋を渡ります。

▲ ヴェネツィア本島へりヴェルタ橋を渡る

乗車中には気付かなかったのですが、車窓からの写真を見ると、線路と並行する道路上にセンターポールで支える架線が張られています。後で調べると1本の案内軌条にゴムタイヤのトラム、トランスロールが訪問の前年(2015年)に、本土のメストレからヴェネツィア本島のローマ広場バスターミナル横まで開通していたそうで、不覚にもノーチェックでした。

▲ 複々線の隣の道路上には路面電車の線路

リベルタ橋の横、ヴェネツィアのラグーン(潟)を行き交う小さな船を眺めていると、向こうにヴェネツィア本島の街並みが見えてきます。

▲ 車窓に手漕ぎの船

▲ 船外機船が行く

▲ 車窓からラグーンに浮かぶヴェネツィア本島の街並みが見えてきた


ヴェネツィア・サンタ・ルチア駅

列車は10分ほどで終点ヴェネツィア・サンタルチア駅の頭端式ホームに到着。ここはイタリア屈指の観光地。イタリアを代表する列車に加えて、近隣諸国からの乗り入れもあり華やかな列車が並びます。

▲ ヴェネツィア・サンタルチア駅に到着

レッジョナーレが到着したホームの隣には、スイス国鉄の振り子式電車ETR610型によるジュネーブ行きのユーロシティー(EC)。

▲ スイスとオーストリアの車両が並ぶ

▲ スイスから乗り入れるETR610型のEC

その隣には、オーストリア連邦鉄道のタウルス型電気機関車の牽く客車列車のEC。オーストリアのインスブルック経由でドイツのミュンヘン行き。

▲ 左はオーストリア連邦鉄道のタウルス型電気機関車の牽くミュンヘン行き

▲ オーストリア連邦鉄道の客車

イタリア鉄道を代表するフレッチャ(矢)シリーズが3編成。振り子式電車ETR610型のフレッチャアルジェント(FA 銀の矢)はローマ行き。両端に直流専用電気機関車ETR500型が付くフレッチャビアンカ(FB 白い矢)はトリノ行き。

▲ イタリア鉄道フレッチャ三兄弟

同形式のETR500でも、交直両用タイプが付くフレッチャロッサ(FR 赤い矢)はナポリ行き。

▲ ETR500型のフレッチャロッサ

フレッチャロッサのライバルの私鉄、ローマ方面行きのイタロもいます。ETR575型電車で11車体連接車。

▲ イタロのETR575型

今回の旅行ではイタリア国内の長距離移動はなく、残念ながら優等列車には縁がありません。乗車するのはプッシュプルの客車列車や、部分低床車をはじめとするローカル電車ばかり。

▲ プッシュプルのローカル列車

▲ ローカル電車 左は二階建て