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ヴェネツィアからローカル列車でパドヴァへ

イタリア3日目はヴェネチアから西に向かい、まずはメストレ駅から普通電車で16分のパドヴァへ。古代ローマ時代からの歴史があり、13世紀に開設されたヨーロッパでも古い歴史を持つパドヴァ大学に16世紀にはガリレオを教授を迎えています。見どころの多い文化都市ですが、ヴェネツィアの陰に隠れて団体旅行では完全に無視されているのが残念なところ。 パドヴァ到着前の車窓に、旧型ディーゼルカーALn668型の3連。

▲ パドヴァ駅の旧型ディーゼルカー

かつてはイタリア鉄道のディーゼルカーといえばこれでしたが、部分低床の連接車ミヌエットのディーゼル版などに置き換えが進み、数を減らしているようです。数多くのホームが並ぶパドヴァ駅。普通電車はその片隅にある、駅舎から離れた切り欠き式のホームに到着。

▲ 普通列車の電車 左は部分低床 右は二階建

駅のある新市街から、遊覧船がくぐり抜ける運河に架かる橋を渡ると旧市街。

遊覧船が行く

その橋の上に2本の線路。でも間隔が数mあり、幅が広すぎる。あっ、電車が来た! 2015年版の地〇の歩き方にも記載は無く、パドヴァにトラムがあるとは全くのノーマークでした。

▲ あっ! トラムが来た

あとで調べてみると、パドヴァのトラムが廃止されたのが1954年。その後半世紀余りを経て、2007年にLRTが開業。市内を南北に貫く1路線のみの運行で、真ん中にある1本の鉄のガイドレールを掴んで走るゴムタイヤのトラム、トランスロールを採用しています。モノレールに分類されるのでしょうか、フランス製で同型には数年前に中国上海で乗っています。

 

スクロヴェーニ礼拝堂とエレミターニ教会

橋を渡った緑地の中にたたずむスクロヴェーニ礼拝堂。小さな建物ながら、イタリア人画家で建築家のジョットが堂内の壁に描いた青いフレスコ画の宗教画で有名。ミラノの最後の晩餐と同様に、時間指定しての予約が必須で、見学時間は15分に限定されトコロテン式に移動だとか。

▲ スクロヴェーニ礼拝堂

▲ 周囲には何か芸術作品のようなものが並ぶ

パドヴァ訪問の日時が事前に確定せず、当初の予定日を変更して訪れたので残念ながらスクロヴェーニ礼拝堂の見学は無理。手前にはフェンスで囲まれた野外博物館や市立博物館もあり、チケットがないと礼拝堂に近づくことも難しそう。

▲ レンガの塀に門 中は野外博物館

▲ 礼拝堂は塀の向こう

▲ スクロヴェーニ礼拝堂や博物館の入り口

市立博物館に隣接して建つのがロマネスク・ゴシック様式のエレミターニ教会。

▲ エレミターニ教会

14世紀初めの建築で、木製の天井がユニーク。

▲ 教会の内部

▲ 天井は木製

▲ 礼拝堂

こちらはだれでも入れます。第二次世界大戦で空爆を受け、戦後に修復されたため、一部は失われたものの14世紀のフレスコ画が700年の時を経て鮮やかに残っています。

▲ 14世紀のフレスコ画が残る


パドヴァのトラム

電車通りを歩いてパドヴァの守護聖人、聖アントニオを祀るサンタントニオ聖堂を目指します。次々とやってくるトラムは3車体連接車。前後に運転台、左右両側に扉があり、両端の運転席の部分を除いてノンステップの低床。

▲ 旧市街の狭い通りを行くパドヴァのトラム

運転席の後方下と連接面にバスのような大きなタイヤが全部で8輪。タイヤの幅が広いため、連接面下部の欠きとりが大きく、鉄の車輪のLRTに比べると連接間の通路幅が狭くなっています。それぞれのタイヤの前後に中央のレールを掴むガイド輪があり、駆動用のモーター等の機器は運転席下部に収納しているのでしょう。

▲ バスのような大きなタイヤが運転席下と連接面にある

車体は紺色で統一ながら、運転席横の柱と連接面のカバーの配色や、側面のロゴの有無等のバラエティーがあります。

▲ バスもトラムの線路上を走行

地図で見ると、電車通りと並行する通りに教会があるので立ち寄ってみることに。バロック様式の立派な祭壇があり、歩き疲れた足に、ひんやりと涼しい教会のベンチが優しい。

▲ サンタ・マリア・ディ・セルヴィ教会

▲ 教会の内部

▲ バロック様式の祭壇


サンタントニオ聖堂

電車通りに戻って先に進むと向こうにサンタントニオ聖堂が見えてきます。駅からエレミターニ教会を経てここまで2kmほど。聖堂の近くにトラムの停留所があるので、乗れば良かった。

▲ サンタントニオ聖堂近くのトラム

聖堂前にあるジェラートの店で休憩。テイクアウトの価格を表示しているけど、イタリアでは店先のテーブルで食べる場合は別料金。

▲ 聖堂が見えてきた

イスラム過激派によるテロの警戒でしょうか、カトリック教徒の聖地である聖堂の前、サント広場には自動小銃を構えた兵士が警備にあたる物々しい雰囲気。広場の横に建つのは14世紀後半のサン・ジョルジョ礼拝堂。

▲ サント広場とサンタントニオ聖堂の正面

▲ サンタントニオ聖堂の側面

▲ サン・ジョルジョ礼拝堂

屋根にいくつものドームが乗ったサンタントニオ聖堂は、聖アントニオの墓として13世紀から300年かけて建設し、完成したのは16世紀。残念ながら、内部は撮影禁止 。サンタントニオ聖堂公式ホームページでご覧ください

回廊の方に出てみました。

▲ サンタントニオ聖堂の回廊

▲ 回廊から見た聖堂と鐘楼

広場には、15世紀のヴェネツィア共和国の傭兵、ガッタメラータの騎馬像も。

▲ サント広場に立つガッタメラータの騎馬像

サンタントニオ聖堂からパドヴァ駅方面に戻ります。帰りは電車通りではなく、歩道がアーケードになった旧市街の通り。

▲ アーケードのある旧市街の通り

旧市街の建物のバルコニーがおしゃれ。

▲ パドヴァ旧市街の街並み

▲ バルコニー

パドヴァ県庁前のアンテノレ広場に何やら石造りの棺桶のような、遺跡のようなものが。ネットで調べてみると、ギリシャ神話に登場する伝説上の人物で、3000年の前のパドヴァの祖先アンテノレの墓だけど、作られたのは13世紀。手前の4本足に乗っているのは、800年前にこの場にアンテノレの墓を作った発案者、ロヴァーティの石棺だとか。こっちは本物かも。なかなか奥が深いパドヴァです。

▲ パドヴァ県庁

アンテノレの墓(奥の屋根付き)