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バッサーノ・デル・グラッパ駅

バッサーノ・デル・グラッパ駅に戻ってきました。この駅は、ベネツィアとトレントを結ぶローカル線から、チッタデッラ経由でパドヴァに向かう線が分岐する構造。

▲ バッサーノ・デル・グラッパ駅に戻ってきた

1番線には白と緑に塗り分けたイタリア鉄道fsの部分低床3車体連接車、アルストーム製のミヌエットが停車中。隣の2番線には赤い色違いのミヌエット。正面にはTRENTINO TRASPORTI ESERCIZIO、側面には王冠と鷲のマークの下に PROVINCIA AUTONOMA DI TRENTO の標記が。

翻訳するとそれぞれ、トレンティーノの輸送業務とトレント自治区となるので、このローカル線の終点でブレンナー峠を越えてイタリアとオーストリアを結ぶ幹線の合流するところにあるトレントを基地に、ローカル輸送を行う鉄道会社(三セク?)の車両のようです。イタリア鉄道から分社化したのかもしれません。

▲ 2編成のミヌエットが並ぶ

3番線から、青に白いストライブのシュタッドラー製部分低床4車体連接車、イタリア鉄道fsのETR343型ベネツィア・サンタ・ルチア行きが発車して行きます。

▲ 3番線にはシュタッドラーのETR343型

次いで、1番線のfsのミヌエットが北の山に向かい、トレントへ。

▲ fsのミヌエットがトレント方面に向かって発車

チッタデッラ方面行きは2番線の赤いミヌエットかなと思っていたら、これも後を追って北に向かいます。でも、すぐに転線してホームと並行する留置線へ。2、3番線ホームの端には、蒸気機関車当時の給水設備が残っています。

▲ 赤いトレンティーノのミヌエット

▲ 北へトレント方面に向かうと思ったら

▲ 折り返し転線して留置線へ

今度は、今朝から留置線にとまっていたプッシュプルの客車列車が北に向かいます。

▲ 留置線から客車列車が発車

最後尾のD445型ディーゼル機関車は、軸配置BBの電気式。転線してパドヴァ行きとなり、機関車を先頭に入線してきます。

▲ ディーゼル機関車を先頭に入線してきた

客車は旧型。空調はないけど、座り心地の良いボックスシートを1人で占領して快適です。

▲ 2等客車の車内

▲ ローカル線の車窓

 

チッタデッラ駅

ディーゼル機関車牽引のローカル列車は、バッサーノ・デル・グラッパから、わずか19分でチッタデッラに到着。この駅で、乗ってきた列車の走るバッサーノ・デル・グラッパとパドヴァを南北に結ぶローカル線と、ヴィチェンツァとトレヴィーゾを東西に結ぶローカル線が交差 。

▲ チッタデッラに到着 最後尾の制御客車

接続を受けて、向かいのホームからALn668型ディーゼルカー2両編成のローカル列車が発車していきます。

▲ ALn668型ディーゼルカーと交換

駅本屋側の1番線には、E652型の電気機関車が牽く貨物列車がパンタを降ろして停車中。この機関車、軸配置がBBBの6軸で、日本の国鉄やJRのF型では標準的な軸配置だけど、ヨーロッパでは少数派。

▲ 貨物列車が停車中

駅から、こんな並木道を歩いてチッタデッラ旧市街に向かいます。

▲ チッタデッラ駅

チッタデッラをはじめ、この日にこれから訪問する3ヶ所の街は地○の歩き方にも掲載されていません。その存在を知ったのは、日経BP社の発行する“旅名人ブックス”の43巻、“ヴェネチア・北東イタリア <海洋都市国家の足跡>”。残念ながらこのシリーズは絶版となっていて、今では図書館で借りるしかありません。

▲ こんな道を旧市街に向かう


チッタデッラ旧市街

チッタデッラは古代ローマ時代からの歴史のある街。今の街は、イタリアに都市国家が乱立して互いに争っていた中世の13世紀、トレヴィーゾやヴィチェンツァと対立していたパドヴァが、ヴェネツィア平野のこの地に要塞都市を築いて近隣を支配する拠点としたことに始まり、15世紀にはヴェネツィア共和国の支配下に納められたのだとか。

▲ 旧市街の南側入口に到着

直径450mほどの円形の旧市街の周囲には城壁をめぐらせ、その外側には堀に水をたたて街を要塞にし、入り口として東西南北4個所に門を設置。門には、チッタデッラから見てそれぞれの方角にある街の名前が付けられ、城壁や門は中世のままの姿を今に伝えています。

▲ 街を丸い城壁が取り囲み外側に水をたたえた堀

▲ 堀に架かるレンガの橋

駅から最寄りの門は、街の南に位置するパドヴァ門。入り口の横には旧市街の地図が掲げられています。

▲ 橋から見たパドヴァ門(南門)

街を守るためでしょう、門は三重の構造になっていて、内側にはマリア像。隣接する教会の側面は城壁と一体化。

▲ 門のわきに楕円形のチッタデッラ旧市街の地図

▲ パドヴァ門の内側のマリア像と教会

門と門を結ぶメインストリートに面した建物の1階は、アーケードの歩道。人通りは多くはないものの、店先には豊富な商品がならび、シャッター通りになった日本の地方都市に比べれば賑わいがあります。郊外にイオンモールがないからか。

▲ メインストリート

▲ 通りに面した建物の1階はアーケードの歩道

南北と東西のインストリートが交差するところが、街の中心ピエロボン広場。広場に面して、小さな町には不釣り合いな立派な大聖堂、教区教会が建ち、その横の石柱の上にはヴェネツィアのライオン像。

▲ 街の中心ピエロボン広場

▲ 街の中心に建つ大聖堂 カトリックの教区教会

▲ 大聖堂の前にヴェネツィアのライオン

広場の斜め向かいには、14世紀の建築を19世紀に改築した宮殿があり、パトカーが2台も停まっていると思ったら、今は警察署に使われているらしい。

▲ 宮殿を警察署に転用したらしい

広場から北へ、パッサーノ門に向かう歩道のアーケードには、上部にフレスコ画が残るところも。

▲ アーケードに残るフレスコ画

▲ バッサーノ門(北門)

▲ 外から見たバッサーノ門

▲ 門の外は緑が豊か

バッサーノ門のところから城壁の上に登ると一周できるそうだけど、列車の時間の関係で諦め、城壁に近い路地を西側のヴィチェンツァ門へ。門の内側には上方にフレスコ画が残っています。

▲ 塀の近くの小道を行くと

▲ フレスコ画が残るヴィチェンツァ門(西門)

▲ ヴィチェンツァ門と城壁

ヴィチェンツァ門の近く建つ市庁舎前の東西のメインストリートを、大聖堂の前を通り抜け、旧市街を横断して東側の門へ。

▲ ヴィチェンツァ門から覗くと中に市庁舎

▲ 市庁舎

▲ 大聖堂の鐘楼

▲ 列柱が並ぶアーケード

▲ 窓辺の赤い花

トレヴィーゾ門にも、内側にフレスコ画が描かれています。これでチッタデッラの城壁にある4つの門を制覇。門の名前は、それぞれ門の方向のにある街の名前を付けています。

▲ トレヴィーゾ門(東門)にもフレスコ画

▲ トレヴィーゾ門の外

チッタデッラの散策を終えて、駅に戻ります。