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メルボルン・サザンクロス駅

メルボルン2日目は、中距離列車のV/Lineに乗って北西へ120kmのキャッスルメインと、さらに40km先のベンディゴに出かけることに。ホテル最寄りの停留所から、無料のトラムでサザンクロス駅へ。

▲ トランジットモールのトラム

メルボルンとその周辺の公共交通機関の利用には、共通のICカード Myki の利用が必須。カードはAU$6、約500円の買い取り制で、運賃相当額は駅にある専用機やセブンイレブン等で、top up(チャージ)します。前日にAU$9チャージ済みの Myki express を購入したものの、無料区間のトラムに乗っただけ。まだ全額残っていても、ベンディゴ往復には全然足りないので、乗車前に駅でチャージしておきます。

▲ ICカード マイキーにチャージ

自動改札機にタッチして構内へ。ごく一部の長距離列車を除いて、紙の切符はありません。

▲ サザンクロス駅の自動改札機

発車時刻までの間に構内を見て回ります。Victoria 州の頭文字をとったであろう中距離列車、V/Lineのホームは頭端式。

▲ 中距離列車のホーム

ディーゼルカーや、客車の編成が停車中。2本のホームの間には、機回り線を設けています。

▲ ディーゼルカーや客車も停車中

向こうは、近距離電車メトロが発着する通過式のホーム。メトロで西へ1駅行くと、前日に駅前でトラムを撮っていた、フリンダースストリート駅。

▲ 向こうは近郊電車メトロのホーム

 

V/Lineのディーゼルカーに乗ってキャッスルメインへ

乗車する列車は2番線の手前に停車しているディーゼルカーだと思っていたら、発車案内を確認するとホームは2B。長いホームを前後でAとBに分けて使っていて、2Bはずっと前方。慌てて駆け込んだらセーフだったけど、乗車する車両を撮る時間がなかった。前日の駅の下見が役に立たず。

サザンクロス駅を発車すると、列車はドックランズ・スタジアムの横を通過。開閉式の屋根があり、サッカーやラグビー、クリケットなどの試合が行われているのだとか。

▲ ドックランズ・スタジアムの横を通過

メトロの電車と並走。これは正面2枚窓の3扉車。

▲ メトロの電車と並走

メトロの駅に停車している正面1枚窓の2扉車を追い抜き。

▲ 停車中のメトロを追い抜く

貨車の並ぶ留置線には、落書きだらけのホッパー車。

▲ 落書きが酷いホッパー車

市街地を外れると、車窓にはこんな荒野が続きます。

▲ 郊外の車窓

列車は3両編成モノクラスのディーゼルカー。座席は回転やリクライニングはしないものの、座り心地は良好。

▲ V/Lineの新型ディーゼルカーの車内

検札の車掌さんは、乗客の Myki を手持ちのICカード読み取り機でチェックしていきます。

▲ 車掌さんが検札

 

キャッスルメイン駅

サザンクロス駅から1時間と50分ほどで、キャッスルメインに到着。2面3線のホームのうち、V/Lineは駅舎側の1番線と向かいの2番線を使用。キャッスルメインの周辺では19世紀半ばに金鉱脈が発見され、ゴールドラッシュでにぎわったところ。今は人口7000人足らずの田舎町。

▲ キャッスルメインに到着

この駅でメルボルン・サザンクロス行きの列車と交換。V/Lineを代表するこの車両は、メルボルンの郊外、ダンデノンにあるアドトランツの工場で2005年から製造が始まり、ボンバルディアに買収された今も増備が続いているVLocity160。窓には、Made in Victoria for Victoria の文字。3両編成の各車両に、カミンズ製の高出力559kWのエンジンを搭載した液体式ディーゼルカーで2軸駆動。設計上の最高速度は210km/hだが、線路の関係で運行速度は160km/hに制限。

▲ この駅で列車交換

数人が下車したあと、列車はベンディゴに向けて発車していきます。

▲ ベンディゴに向けて発車

ホームの出入り口に自動改札機は無く、黄緑色の Myki の読み取り機にタッチするだけ。JR東の無人駅では、入場と出場でSuicaの簡易改札機を色分けしているけど、ここでは1台だけ設置。

▲ ホーム出入口にICカード読み取り機

レンガ造りの平屋建て、キャッスルメイン駅舎。

▲ キャッスルメイン駅舎

キャッスルメインで下車したのは、この駅で保存鉄道のヴィクトリアン・ゴールドフィールズ鉄道が接続しているから。週に2日、日曜と水曜に、キャッスルメインとその北西17kmにあってゴールドラッシュ当時の街並みが保存されているモルドンの間を、蒸気機関車がヴィンテージ客車を牽引して2往復しています。この日は、2019年1月2日の水曜日。

ホームのメルボルン側に立つと、色灯式信号機のある左はV/Lineの線路。右側の腕木式信号機の、夏草の茂る線路がヴィクトリアン・ゴールドフィールズ鉄道。

▲ 左がV/Line 右がヴィクトリアンゴールドフィールズ鉄道の線路

ヴィクトリアン・ゴールドフィールズ鉄道の車両基地はモルドンにあり、1日2往復の列車といっても、メルボルンから日帰りで乗車できるのは1往復だけ。終点には保存車両もあるらしいが、ここで往復しているとベンディゴのトラムの営業時間に間に合わなくなり、モルドンから直接ベンディゴに向かうバス等もないようなので、乗車は諦めることに。

V/Lineの線路の間に設置されているのは、ATSの地上子でしょうか。

▲ ATSの地上子でしょうか

メルボルンからのV/Lineの到着から10分余りで、ヴィクトリアン・ゴールドフィールズ鉄道の列車が到着するはずだけど、下車した乗客はみんなどこかへ行ってしまい、駅には他に誰もいない。時間になっても蒸機列車は姿を見せず、本当に来るのか心配になった頃、ホームの横の土手の上で三脚にデジイチを乗せた男性が一人。

▲ 土手の上に撮り鉄が一人

 

ヴィクトリアンゴールドフィールズ鉄道の蒸機列車が到着

やがて遠くで汽笛が聞こえ、10分遅れでカーブの向こうから蒸機列車が姿を現します。

▲ やっと列車がやってきた

5両の客車を牽引するのは、台枠の先端に“J”と“549”のナンバープレートを付けた蒸気機関車。

▲ J549号機が牽引

列車は3番線ホームに停車。ヴィクトリアンゴールドフィールズ鉄道は全線一閉塞なのか、腕木式信号機は動作していないようです。

▲ 3番線に到着

後方の客車から、ホームに乗客が降りてきます。

▲ 乗客が下車

赤く塗られた機関車のデフには、メーカープレート。英国、北西イングランドのランカシャーにあったヴァルカンファウンドリーが1953年に製造。ヴィクトリア州営鉄道のJ型で軸配置は1D。ディーゼル機関車と並行して導入された最後の支線用蒸気機関車で、1950年ごろの石油価格の変動と石炭の供給不安定を見越して、石炭炊きが30両と重油炊き30両に分け、J500からJ559号まで合計60両製造されました。入れ換え機として1978年まで残り、現在もJ549号機を含めて11両が保存されているのだとか。

▲ J549号機のデフに取り付けたメーカープレート

キャブ横のナンバープレートを見るとJ549と一体で表示。その上のブライアン・フリューインのプレートは、この機関車の名前でしょうか。

▲ キャブのナンバープレート

下車した乗客が写真を撮りに、機関車の方に集まってきます。先ほど土手の上で三脚を立てていた男性もやってきました。

▲ 先ほどの撮り鉄さんも駅にやって来た

折り返してモルドンに向かうまで、ダイヤ上では45分。機関車は客車から切り離して一旦停車。左右にバッファがあるものの、使っているのは中央の自動連結器だけ。

▲ 機関車を切り離し

後方からテンダを見ると石炭は無く、円筒のタンクが載っていて、重油炊きの蒸気機関車らしい。GoogleMapの航空写真で、右側の建物の先にターンテーブルがあるのは確認できたけど、近くに行くすべがありません。

▲ テンダの上には重油タンク