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鉄道博物館の前の駐車場。みんなここまでクルマで来るようで、シドニーから公共交通機関を乗り継ぎ、2時間半近くかけて来たのは一人だけのよう。
▲ 鉄道博物館の駐車場
NSW鉄道博物館は廃止された路線上のサールミア駅を整備して、1976年にこの地に移転。ニューサウスウェールズ(NSW)州の鉄道の歴史に関連する、100両以上の機関車や客車等の車両や関連する機器類を展示しています。
別途、NSW鉄道博物館の詳細なページを、こちらに用意しています。ここでは、なるべく使用する写真が重複しないようにして、簡単に紹介します。
▲ NSW鉄道博物館の正面入口
英国のニューサウスウェールズ植民地に、標準軌の鉄道が開通したのは1855年。メインの展示館では、19世紀の車両や鉄道関連の設備等を展示。
軸配置Cのテンダ型蒸気機関車E18は、1865年の英国ロバートスチーブンソン会社の製造。この博物館で一番古い車両。
▲ 英国製E18号機
E18号機が連結している木造客車は、1891年製のHKL360型郵便車。オール板バネのボギー台車に、バッファとねじ式の連結器。
▲ 木造の郵便車
▲ 郵便車のバッファとねじ式連結器
軸配置2Bのテンダ機関車Z17型1709号機は、1887年の英国製。1676mmの当時としては大直径の動輪を持ち、動態保存機らしい。
▲ Z17型1709号
1709号機が連結している客車はGG(The Governor-General's carriage)、オーストラリア総督用の車両としてNSWレイルが1900年に製造した、木造3軸ボギー車。
▲ オーストリア総督用車両
車内にはリビングルームやダイニングルーム、ベッドルームが設けられています。
▲ ベッドルーム
この客車は1901年から1970年まで、多くのロイヤルツアーに使用され、1954年には英国のエリザベス2世女王とエディンバラ公を乗せたロイヤルトレインとして、NSW州内を運行したのだとか。
▲ ダイニングルーム
煙突にナンバーを付けた軸配置B2のテンダ機、M36型蒸気機関車78号機は、1877年にシドニーで製造された、オーストラリアの国産機。
▲ 78号はオーストラリアの国産機
78号機が連結している窓の少ない木造ボギー客車は、Prison Van(刑務所車)。州内の刑務所間で受刑者を輸送するための車両で、1867年から1950年代まで運用されていたらしい。
▲ 刑務所車
車内の前後には、鉄格子のはまった監房。高い位置に明り取りの小窓があるだけで、外は見えません。中央の出入り口付近は看守席。
▲ 刑務所客車の監房
軸配置Bで、クレーンを装備したタンク式蒸気機関車1034号は、1886年の英国製。吊り上げ能力は4トン。
▲ クレーン機関車1034号機
訪問時には年末年始の週末のみ、廃止された路線を活用したクラシックなディーゼルカーの運行、"SUMMER RAIL MOTOR RIDES"を実施していたので、旧型のディーゼルカーへの乗車とセットになった入場券を購入しました。発車時刻が近づいてきたので、博物館の構内の片隅にあるサールミア駅へ。
▲ 鉄道博物館構内のサールミア駅
RAIL MOTORは、ローカル線の小運転に使用するディーゼルカーやガソリンカー。片側の屋根上のラジエターが特徴的なCPH型は、1923年から州内各地のローカル支線のフィーダーサービス用に37両(他にエンジンのない付随車が5両)製造された、電気溶接で組み立てた軽量台枠上に木造車体を乗せた機械式のガソリンカー。戦後はディーゼルエンジンと油圧トランスミッションに換装。
▲ レイルモーターCPH27
早速乗車してみることに。
▲ 踏み台を使って乗車
運転席は中央。運転士や車掌、駅務などは鉄道員のOBの方々なのか、お歳をめしたボランティアのよう。
▲ 中央に運転席 その両側にかぶりつき席
博物館を出ると、こんな何もない田舎に単線の線路が続いています。
▲ 沿線風景
車内は、通路をはさんで2人がけと3人がけの転換式クロスシート。
▲ 車内は転換式クロスシート
木製でニス塗りの内装や、巻上げ式のカーテン。
▲ 車内は木製ニス塗り
途中一ヵ所の駅を通過して、サールミアから15分ほどで2駅目、ホーム片面だけのバックストンに到着。機関車が客車を牽引する博物館列車も運行されることもあるそうで、駅には機関車を付け替えるための機回り線を設置。
▲ バックストン駅に到着
しばし休暇の後、今来た道をサールミアの博物館に戻ります。
▲ 博物館に戻る
到着の直前に、動態保存のディーゼル機関車や客車の姿。これらを使った博物館列車も運行されるのでしょう。
▲ 機関車や客車が留置
SUMMER RAIL MOTOR RIDES については動画も含め、こちらで詳しくご紹介しています。
メインの展示館に戻ってきました。そこから外に出ると、多数の保存車両が並ぶ展示スペースのグレート・トレイン・ホール。サールミア駅構内の留置線に屋根を設置し、線路の周囲を舗装して整備したものと思われます。
ここでは、グレート・トレイン・ホールに保存展示されている車両から、主なものを数点ご紹介します。まずは、2組の動輪を持つ巨大なガーラット型蒸気機関車。1956年の英国製。
▲ ガーラット型蒸気機関車
20世紀初頭の英国製テンダ機(左)とオーストラリア製タンク機(右)。
▲ 20世紀初頭の蒸気機関車
1920年代にオーストラリアで製造された貨物用の標準型(左)と戦後の米国製貨物機(右)。
▲ 戦前、戦後の貨物機
20世紀初頭の英国製旅客機(左)と1910年代の州知事視察旅行用の豪華客車の編成(右)。
▲ 20世紀初頭の旅客機と豪華客車
蒸気機関車に取って代わったディーゼル機関車。1950年代のオーストラリア製。
▲ ディーゼル機関車
1930年代のレールバス。その後ろは、1970年代のディーゼル機関車。
▲ レールバス
1930年代から50年も高速列車に活躍したディーゼルカー。
▲ ディーゼルカー シルバーシティーコメット
今はオール二階建て車で運行されている、シドニートレインズの元祖H型。1920年代の木造車で、二階建てのステンレス車に置き換わるまで50年使用。
▲ 元祖シドニートレインズ
座席数を増やすため、1968年に試作したシドニートレインズの最初の二階建て車。リベット止めのアルミ車体だが、量産車はステンレス製に。
▲ 二階建て試作車
各種貨車も多数保存展示。
▲ 貨車も多数